ドコモはデータ無制限プラン「eximo」の新規申込受付を終了し、6月5日から新たに「ドコモ MAX」を提供します。大手3キャリアのスマホ料金は明確に値上げの方向に進んでおり、ドコモ MAXも値上げになりました。ただ、大容量プランなら6月4日までは「eximo」の契約も可能ですし、ahamoで大盛りオプションを契約する選択肢もあります。
そこで今回は、ドコモの大容量プランでどれがお得か比較した上で、オススメの選び方を紹介します(料金は全て税込み)。
●ドコモ MAXはeximoから何が変わった?
まずはドコモ MAXについて簡単に解説します。ドコモ MAXは「eximo」の後継となるデータ無制限プランで、データを3GB以上使った月の通常料金は8448円です。各種割引を全て適用すると最安で月額5148円になります。適用できる割引は「長期利用特典」「みんなドコモ割」「dカードお支払割」「ドコモ光セット割/home 5G セット割」「ドコモでんきセット割」の5つです。
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eximoと比較すると、通常料金も割引適用後の最安料金も値上げになりました。3GB以上使った月の場合、通常料金はeximoより1133円高いです。適用できる割引の種類と割引額は増えたものの、割引適用後の料金も220円値上げされています。
「割引の種類が増えた」と聞くと、いいことのように思えますが、これはデメリットといってよいでしょう。eximoの場合、ドコモ光かhome 5Gを契約し、家族割である「みんなドコモ割」に3回線以上加入し、料金をdカードで支払えば割引がフル適用されました。これでもハードルは高いですが、ドコモ MAXはさらにドコモでんきへの加入と、長期利用が条件に追加されます。
固定回線とのセット割はポピュラーになりましたが、でんきとのセット割はまだなじみがありません。地方の電力会社(東京電力や関西電力など)とドコモでんきとの違いがよく分からず、何となく地方の電力会社の方が安心という人も多いでしょう。筆者自身もその一人です。
また、長期利用特典はドコモの利用継続期間が20年以上で220円割引、10年以上で110円割引のため、少なくとも10年以上前から契約している人でないと割引されません。
公式サイトでは5148円を大々的にアピールしていますが、割引を全て適用するハードルは高く、実際にはもっと高くなる人も多いでしょう。
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なお、ドコモ MAXにもeximoにもデータ使用量が1GBや3GBの場合の料金がありますが、これはあくまで「データ使用量が少なかった月に料金が割引される仕組み」であり、月1GBや月3GBの人が申し込むのは損です。データ使用量が月10GB以下の人はドコモ miniやirumo(新規申込は6月4日まで)が断然お得です。
●ドコモ MAXは豪華な特典が魅力
一方、ドコモ MAXにはeximoよりお得な点もあります。それが豪華な特典です。
まず、ドコモ MAXの契約者は海外ローミングが30GBまで無料で使えます。これはeximoにはない特典です。ahamoでも同様のサービスがありますが、ahamoは使えるのが91の国と地域なのに対し、ドコモ MAXは200以上で使えます。また、Amazonプライムが6カ月追加料金なしで利用可能な上に、その後も毎月120ポイントが還元されるのもお得です。
そして何より、最大の目玉は通常月額4200円の「DAZN for docomo」が無料で使えることでしょう。サッカーJリーグ(J1・J2・J3)、プロ野球の全試合(広島主催試合を除く)やF1、海外サッカー、ゴルフ、ボクシングなどが視聴できます。「DAZN for docomo」は開始当初の月額1078円から何度も値上げされたため、やむを得ず解約したという人も多いかもしれませんが、ドコモ MAX契約者なら無料で楽しめます。
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●ドコモの大容量プランはどれがオススメ?
ドコモの大容量プランではドコモ MAX、ahamo大盛りに加え、6月4日まではeximoも契約できます。では、どれがお得なのでしょうか。
3つのうちどれがお得になるかは、さまざまな条件により異なるので一概に言えませんが、単純化するなら、「月110GBで足りるか」「各種割引が適用できるか」「DAZNを利用するか」で決めましょう。
まず、データ使用量が月110GBで足りるならahamo大盛りが断然オススメです。割引をフル適用できればeximoの方が月22円安くなるものの、ahamoには基本料金に5分かけ放題が含まれるため、通話料金も考慮すればahamo大盛りが安くなるでしょう。さらに容量超過後も最大1Mbpsで通信できる上、海外でも追加料金なしでデータ通信ができます。何より、料金プランがシンプルで分かりやすいので安心です。
月110GBで足りない場合は、無制限プランのドコモ MAXかeximoを検討しましょう。ただし、どちらも各種割引を適用して使う前提のプランになっており、割引なしだと割高です。特に「みんなドコモ割(3回線以上)」と「ドコモ光セット割/home 5G セット割」をどちらかでも適用できない場合はオススメしません。データ無制限で月額3278円の楽天モバイルも検討しましょう。
月110GBで足りない人で、各種割引が適用できるなら、eximoとドコモ MAXで迷うことになります。これら2つの選び方は「DAZNが必要かどうか」が大きな分かれ道です。DAZNが必要、もしくは類似のサブスクサービスにお金を払っている場合、「DAZN for docomo」が無料で使えるドコモ MAXが断然お得です。一方、それ以外の人は今のうちにeximoを契約しておきましょう。
●既存プランも値上げの可能性あり?
前述の通り、DAZNが必要でない人はeximoやahamo大盛りがお得な場合も多いです。特にeximoは6月4日で新規申込受付が終了するため、検討中の人は今のうちに申し込みましょう。
ただし、既存プランが今後もこの料金で使えるかは分かりません。NTTドコモの前田義晃社長は5月9日の決算会見で、既存プランの値上げについて問われた際に「こちらとしてもいろいろと考える必要があると感じている」と述べ、値上げの可能性を示唆しています。
既にKDDIでは、auとUQ mobileの新料金プラン発表と同時に既存プランの値上げも予告しています。ドコモでは現時点でahamoやeximoなどの値上げは予告されていませんが、いずれは値上げされる可能性もありそうです。
現時点ではドコモ MAXよりeximoやahamo大盛りの方がお得な場合でも、既存プランが値上げされればどうなるか分かりません。ユーザーとしては願わくは値上げは避けたいところですが、心の準備だけはしておきましょう。また、もし値上げされることがあれば、そのタイミングで再度料金プランの見直しが必要になります。
以上、ドコモの大容量プランの比較と選び方の解説でした。ドコモ MAXはeximoより値上げされた上、より複雑になった印象です。一方でeximoより断然お得な場合もあり、消費者はますます自分に合ったプランを選ぶ「目利き力」が求められるようになりました。よく分からないから何となくそのままにしている人も、新料金プラン開始を機に契約内容を見直してはいかがでしょうか。
著者プロフィール
シムラボ
「シムラボ」は、スマホ料金や端末に関するお役立ち情報を発信する個人サイトです。Y!mobileに乗り換えたことをきっかけに格安SIMのよさに気付き、今では主要な格安SIMは全て契約してレビューしています。モットーは「自分に合うものを、より安く」。
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