フジHDの「岩盤株主」に働き掛け=ベストな取締役選任を、総会後も関与―ダルトン幹部

0

2025年06月05日 08:02  時事通信社

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

時事通信社

インタビューに応じるダルトン・インベストメンツの西田真澄氏=3日、東京都千代田区
 米投資ファンド、ダルトン・インベストメンツの西田真澄パートナーと系列会社の水落一隆社長は、約7%保有するフジテレビ親会社のフジ・メディア・ホールディングス(HD)株主総会に向けた対応について取材に応じた。西田氏は「『岩盤株主』の判断がメディアの将来を決める。ベストな取締役を選んでほしい」と述べ、従来の大株主への働き掛けを強める考えを示した。

 25日開催のフジHDの定時株主総会を巡り、ダルトンは西田、水落両氏を含め計12人の取締役選任を提案。提案に反対する会社側と委任状争奪戦を繰り広げている。西田氏は、フジHDの大株主である東宝や文化放送を名指しし、「フジHDに忖度(そんたく)しても従業員、制作会社、地方局、誰も得しない」と呼び掛けた。水落氏も「従来の機械的な議決権行使ではなく、社内で協議して選ぶ動きになれば一歩前進だ」と語った。

 フジHDはダルトンの株主提案を受け、「計64回」にわたり真摯(しんし)に対話したと主張。これに対し西田氏は、郵送物の受領連絡までも対話に含めていると反論し、「実際の対応は2回。真摯というのは印象操作だ」と批判した。フジHDとの決裂の背景について水落氏は「清水賢治フジHD専務(フジテレビ社長)がリーダーシップを発揮できないからだ」と述べた。

 総会後の対応について西田氏は「(株主提案した)取締役が一人も(フジHD取締役会に)入らなくても、来年も再来年もチャレンジすればいい。やめる必要は全くない」と強調。国際競争力のある日本のコンテンツ産業強化に向け、「フジHDを大事な一角として強くしたい」と関与を続ける意向を示した。 

インタビューに答えるダルトン・インベストメンツ系列会社の水落一隆社長=3日、東京都千代田区
インタビューに答えるダルトン・インベストメンツ系列会社の水落一隆社長=3日、東京都千代田区
    ニュース設定