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2025年06月05日 21:51 ITmedia PC USER
日本マイクロソフトは6月10日、新型Copilot+ PC「12インチSurface Pro」「13インチSurface Laptop」の個人向けモデルを発売する。Microsoft Store(直販サイト)における最小構成の販売価格は、12インチSurface Proが14万9380円(キーボード/ペン別売)、13インチSurface Laptopが16万4780円となる。
同社が6月3日に開催した報道関係者/インフルエンサー向け内覧会で、両モデルの実機が展示されていた。写真を交えつつ、特徴を紹介したい。
●Copilot+ PCをより広いユーザーに
12インチSurface Proと13インチSurface Laptopは、AI(人工知能)を活用した機能を強化したCopilot+ PCの一層の普及を狙って登場する戦略モデルだ。名前に世代が含まれていないことからも分かる通り、いずれも“初代”という扱いとなる。
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SoCをエントリークラスの「Snapdragon X Plus 8-core」にしたり、画面のサイズと解像度を抑えたりと、価格を手頃にする工夫を凝らしている。ただ、特に若年層(いわゆる「Z世代」)は、単に価格が安いだけでは手に取らない。
そこで、両製品はパッケージやボディーのカラーにも気を配っている。カラーは定番の「プラチナ(Platinum)」の他、海の色をイメージした「オーシャングリーン(Ocean)」と、新色の「バイオレット(Violet)」を用意している。いずれも淡い色合いで、若年層を意識して設定したという。
余談だが、オーシャングリーンに「グリーン」が付いているのは日本だけだという。「単に『オーシャン』というと欧米では緑(グリーン)を想起するが、日本では青(ブルー)のイメージが強い。オーシャンというだけでは正しい色を想起できない」という理由からカラー名にグリーンを追加したそうだ。
●ついに省かれたSurfaceの象徴「Surface Connect」
両モデルの本体のポート類は以下の通りとなっている。
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・12インチSurface Pro
・左側面:なし
・右側面:USB 3.2 Gen 2(10Gbps)端子×2(電源入力/映像出力兼用)
13インチSurface Laptop
・左側面:USB 3.2 Gen 1(5Gbps) Standard-A端子、ヘッドフォンジャック
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・右側面:USB 3.2 Gen 2(10Gbps) Type-C端子×2(電源入力/映像出力兼用)
他のサイズのSurface Pro/Surface Laptopと比べると、USB4(Thunderbolt 4)端子を備えないのは分かりやすい差別化要素だ。ターゲットとなるユーザー層を考えると、あえて対応する必要がないという判断だろう。
ただし、Microsoft自身が定めた互換性要件のアップデートもあって、USB 3.2 Gen 2 Type-C端子はいずれもUSB PD(Power Delivery)による電源入力と、DisplayPort Alternate Modeによる映像出力には対応している。「超高速なストレージを接続する」「超高解像度なディスプレイを接続する」といったことをしない限りは、これで必要十分だろう。
……と、長年Surfaceを使っている人は、両モデルにSurfaceシリーズ固有の「Surface Connect端子」がないことに気付いたかもしれない。
担当者によると、「USB Type-C端子で電源入力や映像出力もできるようになり、当社の純正オプションでもUSB Type-CやThunderbolt 4に対応するドックを用意した」こともあり、Surface Connect端子の利用者は減少傾向にあったという。そのため、両モデルでは“思い切って”省くことにしたそうだ。理由を考えると、今後の新モデルではSurface Connect端子がないのが“当たり前”になる可能性もある。
なお、12インチSurface ProについてはACアダプターも別売としている。ACアダプターを付属しないのも、Surfaceシリーズとしては初めての試みだが「Surface ProのようなタブレットタイプのSurfaceを購入されるお客さまは、スマートフォン用を含めて何らかのUSB PD電源アダプターを持っていることが多い」ということでオプション扱いとしたそうだ(※1)。なお、充電ケーブルは付属する。
(※1)一部の国/地域では「13インチSurface Pro(第11世代)」でもACアダプターを原則として付属しない(特定構成にのみ付属)
●Webカメラでも差別化
12インチSurface Proと13インチSurface Laptopでは、従来モデルと比べるとWebカメラのスペックに若干の差がある。
12インチSurface Proの場合、アウト(背面側)カメラについては従来モデル(13インチ)とスペック上は同一だ。ただし、カメラの位置は背面から見て右上に移設された。カメラがなくなった背面中央上部のスペースには「Surface スリム ペン 2」(別売)専用の充電ポート兼ホルダーを備えている。
一方、イン(画面側)カメラは画素数が下げられ、撮影解像度がWQHD(2560×1440ピクセル)対応からフルHD(1920×1080ピクセル)対応にダウングレードされた。ただし、ダウングレードされたとはいえ、Windows Helloの顔認証にはきちんと対応している。
13インチSurface Laptopについては、インカメラ自体のスペックは既存モデル(13.8インチ/15インチ)と変わりないが、顔認証機能が省かれている。その代わりに、電源ボタンと一体となったWindows Hello対応指紋センサーを備えている。
両モデル共に、コストダウンを図る中でも生体認証は“何とか残した”イメージがある。これは、Copilot+ PCの目玉機能の1つである「リコール(Recall)機能」の利便性を高めるためだと思われる。このような努力を見ていると、両モデルが「Copilot+ PCの一層の普及」という目的に忠実であることが垣間見える。
●キーボードの打ち心地は従来モデル譲り
12インチSurface Proについては、キーボードが別売となる……のだが、「Surface Pro 8」(第8世代)以来維持し続けてきた本体サイズよりもコンパクトになってしまったため、新規のオプション品として「Surface Pro 12 インチ キーボード」が登場する。
日本で販売されるSurface Pro 12 インチ キーボードは、現時点では日本語配列のみでUS(米国英語)配列のオプションはない。カラーは「ストーン グレー(Slate)」「バイトレット(Violet)」「オーシャングリーン(Ocean)」の3種類で、Microsoft Store価格はキーボード単品が2万7280円、Surface スリム ペン 2とのセット品が4万4880円となる。
なお、「Slate(スレート)と言われても色が想起できない」という理由で、日本ではSlateというカラーは「ストーン グレー」という呼称となる。
また、本製品は従来のフレックスキーボードにあった傾斜を調整する機構を備えていない。
13インチSurface Laptopは、他のサイズと同じく本体にキーボードを内蔵している。現状、日本では日本語配列の構成のみ用意している。配列やサイズ感は「Surface Laptop Go」に近いが、キートップの角の丸みが強くなった他、アプリケーションキーの代わりにCopilotキーが付いたことが特徴だ。
いずれのキーボードも、打ち心地は従来モデルのそれと大きく変わらない。ただし、先述の通り12インチSurface Pro用キーボードについては角度調整ができないため、キーボードは「机にベタ置き」という格好になるため注意したい。
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