アジズ・ベヒッチのゴールで日本代表は敗北 [写真]=Getty Images FIFAワールドカップ26アジア最終予選・グループC第9節が5日に行われ、日本代表はアウェイでオーストラリア代表と対戦した。
今予選全体を通して、圧巻の力強さを示して進撃を続ける日本代表。2次予選は6戦全勝無失点とパーフェクトな出来で堂々の首位通過を果たすと、最終予選に入っても勢いは衰えず。3月シリーズの初戦となったバーレーン代表戦を2−0で終えたことで、3試合を残しての“史上最速”で、8大会連続8回目の本大会出場を決めた。
ここまでの成績は6勝2分と無敗。今回の6月シリーズを無敗で駆け抜ければ、日本代表が初めてワールドカップ予選に参加した1954年のスイス大会から数えて、史上初となる無敗での予選突破が決まる。
このような状況のなか、6月シリーズの初陣で相まみえるのは、最終予選のグループで5大会連続で同居するオーストラリア代表。オーストラリア代表のAFC(アジアサッカー連盟)転籍後、すべてのワールドカップ最終予選で顔を合わせているが、日本代表は2010年の南アフリカ大会の最終予選で敗れて以降、対オーストラリア代表戦では無敗を維持。かつては“天敵”として知られたが、相性自体は決して悪くない。
オーストラリア代表はここまでの最終予選で3勝4分1敗と悪くない成績を残し、勝ち点「13」を積み上げて現在は2位につける。今回の日本代表戦で引き分け以上の成績を残し、他会場で3位のサウジアラビア代表、および4位のインドネシア代表が共に敗れた場合は、2位以内が確定。今シリーズでは3位のサウジアラビア代表との直接対決も残しているだけに、同試合に向けて弾みをつけたいゲームとなる。
そんなオーストラリア代表との一戦に向けて、森保一監督は、今回の最終予選で初スタメンとなる選手9名を先発として送り出した。GK谷晃生、藤田譲瑠チマ、佐野海舟らが最終予選に入ってから初めて先発に名を連ね、関根大輝、平河悠、俵積田晃太は嬉しい日本代表デビュー。これらの面々に、町田浩樹、そしてキャプテンマークを巻く鎌田大地の“常連組”を融合させた11人で、オーストラリア代表撃破を目論む。
一方のオーストラリア代表は、キャプテンマークを巻くGKマシュー・ライアンを筆頭に、アジズ・ベヒッチ、エイデン・オニール、マーティン・ボイルらが先発入り。かつて横浜F・マリノスでプレーしたミロシュ・デゲネクもスターティングメンバーに名を連ねており、FC町田ゼルビア所属のミッチェル・デューク、アルビレックス新潟所属のジェイソン・ゲリアはベンチスタートとなった。
試合は序盤から日本代表がボールを保持したものの、なかなかオーストラリアの守備陣形を掻い潜っていく場面は少なく、スコアレスのまま時計の針が進む。オーストラリア代表が5バックの布陣でブロックを組んだこともあり、日本代表としては攻めあぐねる展開が続く。
だが、限られたスペースの中で打開しようとする工夫は見て取れる。まずは28分、ライン間のスペースで町田からの縦パスを引き出した鈴木唯人が、前を向いてドリブルをスタート。自らの持ち運びで相手の最終ラインを徐々に押し下げ、ペナルティエリアに入ったところで右足を振ったが、シュートは枠をとらえきれない。37分には藤田譲瑠チマが高い位置でボールを奪ったところから、セカンドボールを拾った平河が右足でミドルシュート。グラウンダーの一撃はGKライアンの手をかすめて枠を外れた。
スコアレスで後半へ折り返すと、日本代表は町田を下げて瀬古歩夢を投入。48分にはGK谷のキックミスからヒヤリとするシーンを迎えるも、ここはきっちりと凌ぎ、直後のプレーではチャンスを構築。瀬古からの縦パスを鎌田大地がうまくフリックし、佐野海舟が前を向いてボールを持つと、左へ散らす。俵積田が得意のカットインから右足を振ったが、ここはデゲネクにブロックされた。
攻撃陣に勢いが欠けるなか、64分には中村敬斗、そして10番を託された久保建英が、俵積田および佐野海舟との交代でピッチに立つ。鎌田が3列目に落ちて試合を再開させると、オーストラリア代表も68分、デュークとゲリアの“Jリーグ組”を同時投入。日本代表は直後の70分に渡辺剛と大橋祐紀を下げて高井幸大と町野修斗を投入し、交代カードを使い切る。
日本代表は80分、“役者”が「あわや」と呼べるシーンを創出。ペナルティエリア内でセカンドボールを拾った久保が、右足でシュートを狙ったものの、シュートはわずかにゴールの右へ。
このまま試合は終盤に突入したものの、90分に均衡が破れる。オーストラリア代表はピッチ中央付近で鎌田のパスをカットしたところから、右サイド高い位置でスローインを獲得。ゲリアからのパスを受けたライリー・マッグリーが巧みなターンでボックス右の深い位置まで侵入し、マイナスへ折り返すと、最後はベヒッチが右足でシュートを叩き込む。土壇場でオーストラリア代表が先手を取った。
試合はこのままタイムアップ。日本代表は2次予選を含めて、今予選通しての初黒星を喫した。一方のオーストラリア代表は、暫定ながらも3位のサウジアラビア代表との勝ち点差を「6」まで広げ、自力でのワールドカップ出場権獲得に王手をかけている。なお、日本代表がオーストラリア代表に敗れるのは、2009年6月17日以来、およそ16年ぶりのこととなった。
次節は10日に行われ、日本代表はホームでインドネシア代表と、オーストラリア代表は敵地でサウジアラビア代表と、それぞれ対戦する。
【スコア】
オーストラリア代表 1−0 日本代表
【得点者】
1−0 90分 アジズ・ベヒッチ(オーストラリア代表)
【スターティングメンバー】
日本代表(3−4−2−1)
GK:谷晃生
DF:関根大輝、渡辺剛(70分 高井幸大)、町田浩樹(46分 瀬古歩夢)
MF:藤田譲瑠チマ、佐野海舟(64分 久保建英)、平河悠、俵積田晃太(64分 中村敬斗)、鎌田大地、鈴木唯人
FW:大橋祐紀(70分 町野修斗)
【ゴール動画】オーストラリア代表が“ワンチャンス”を活かす
虎視眈々と1チャンスを仕留める
W杯出場目指すオーストラリア
ベヒッチの右足で先制
日本は痛恨の失点...
🏆AFCアジア最終予選
🆚オーストラリア×日本
📺#DAZN 独占配信
最強の #代表みようぜ pic.twitter.com/4z9TobfdVt— DAZN Japan (@DAZN_JPN) June 5, 2025