認知症の母親を自宅介護→不在時、訪問販売で月額2万円の美容サプリメントを定期契約…解約できる?

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2025年06月06日 12:20  まいどなニュース

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認知症の家族が訪問販売で契約した場合、解約ができるか心配です。※画像はイメージです。(years/stock.adobe.com/)

「認知症の母親を自宅で介護しています。昨日、私が仕事に行っている間に訪問販売がやってきて母が対応し、私の知らないうちに月額2万円の美容サプリメントを定期購入する契約を結んでしまいました。高額ですし母にも他の家族にも不要なものなので解約できるのでしょうか?」

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訪問販売の中には認知症の人を狙う悪質なケースもあり、家族の知らぬ間に契約を結んでしまったり、高額かつ不要なものを購入してしまったりして、トラブルになることもあるかもしれません。

実は、認知症の家族が訪問販売などで何らかの契約をしても、解約する方法がいくつかあります。それぞれの方法を紹介します。

クーリング・オフ制度

クーリング・オフ制度とは一度申し込んだ契約でも、一定の期間内であれば無効にできる制度です。例えば、訪問販売電話勧誘販売で何らかの契約をしてしまった場合に利用できるケースが多いです。

よくある事例としては、訪問販売で高額な健康食品を買わされたり、住宅のリフォーム工事を契約したりした場合などがあります。

クーリング・オフ制度を利用するには、購入の申し込みや契約をした日から8日(取引の内容によっては20日)以内に、書面またはメールなどの電磁的記録によって販売会社へ通知します。

はがきなどの書面で通知する場合にはそのコピーや送付記録を、メールなどの電磁的記録による通知をする場合は通知した画面のスクリーンショットを取って、手元に残しておくとよいでしょう。

消費者契約法違反を主張

消費者契約法違反を主張して、契約を解除する方法もあります。消費者契約法とは、簡単にいうと、消費者を不当な契約トラブルから守るための法律で、主に以下のようなことが定められています。

不当な勧誘で結んだ契約は「取り消し」可能
消費者に不利益を被る契約条項は「無効」
事業者に対する「努力義務」

具体的には、「このサプリメントを飲めば病気が必ず治る」「この絵画は1年後に必ず価値が上がるので購入額以上の金額で売ることができる」などの不当な謳い文句で購入をさせられた場合などに適用されます。

意思能力がないことを証明

意思能力がないことを証明する方法もあります。「意思能力」とは、自分の行動が何を意味するか、どんな結果になるかを理解して判断できる力のことで、認知症の家族が契約をした場合も「意思能力がない」とみなされることがあります。

意思能力の有無は、医師の診断書や、医師・看護師・介護士の意見書などで証明可能です。診断書や意見書を事業者に提示しましょう。

成年後見制度を利用していれば後見人による解約も可能

成年後見制度を利用している場合は、後見人による解約も可能です。成年後見制度とは、認知症などで判断能力が無い家族の財産管理や身上保護を、本人に代わって成年後見人が行う制度です。

   ◇   ◇

認知症の親が定期契約をさせられてしまった場合でも、様々な制度を活用して認知症の家族を守ることができます。「既に契約してしまったから解約はできない」と諦めずに、クーリング・オフ制度や消費者契約法違反の主張など、できることを考えて行動するのが重要です。

また手続きの方法については、消費生活センターなどに相談するとより具体的なアドバイスがもらえるでしょう。

【監修】瀧澤亮(たきさわ・りょう)2級ファイナンシャル・プランニング技能士 Webライター・ディレクター。将来を見据え、保険や年金のことを詳しく知り活用したいとの思いからFP資格取得を決意。現在FP2級を取得し、上位級も勉強中。Webライター・ディレクターとして、お金に関する記事の執筆やディレクション・監修を担当している。

(まいどなニュース/もくもくライターズ)

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