いまだに賛否渦巻くビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR) [写真]=Getty Images 審判員のボビー・マドレー氏が、ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)に対する嫌悪感を露わにした。5日(現地時間)、イギリスメディア『BBC』が伝えている。
2018年までプレミアリーグでレフェリーを務めていたマドレー氏は、2020年以降イングリッシュ・フットボールリーグ(EFL ※イングランド2・3・4部)で笛を吹いている。EFLでは通常のリーグ戦においてVARを使用していないが、マドレー氏は同技術が「試合から感情を奪う」として嫌悪感を示した。
「いちファンとして(VARは)大嫌いだ。EFLチャンピオンシップ(イングランド2部リーグ)やEFLリーグ1(同3部リーグ)は大好きさ。今でもファンなんだ。なぜなら、これらのリーグではゴールを決めた後にアシスタントレフェリーに目をやり、旗が上がっていなければゴールになるからだ」
「VARは感情を奪ってしまう。サッカーには1試合にたった1つの瞬間、たった1つのゴールがあって、それで試合が終わりになるということもあるスポーツだ」
「ゴールによる感情を奪われ、待ち続けなければならず、それが永遠のように感じるなんて、ファンとして私はそういった経験が大嫌いなんだ」
致命的なミスジャッジを防ぐ目的で導入されたVARは、これまでも存在の是非を問う意見が乱立している。今ではVARチェックの待ち時間も見慣れたものになりつつあるが、マドレー氏は同技術が“パッションの喪失”につながると考えているようだ。