アンパンマンのデジタルカメラを本気で“プロ仕様”に改造したら……「実はむちゃくちゃ実用的なのでは？」　予想外の完成作品に反響

　アンパンマンのキッズ用デジタルカメラを、“限界までプロ仕様”にカスタムすると……。今までの知識と経験、哲学を集結させて、高画素化・高画質化に挑む動画がYouTubeに投稿されました。動画の再生数は記事執筆時点で、1万4000回を超えています。

完成したカメラと作例

アンデジの性能を強化したい

　動画が投稿されたのは、YouTubeチャンネル「Kamitaba Log」。カメラに関するさまざまな情報を発信しており、以前には、2013年に発売された「アンパンマン はじめてデジカメ2」（以下、アンデジ2）を“大人が撮影に使う機材”としてレビューし、話題となりました。

　非常に独特な仕様から仕事道具としては“問題しかない”アンデジ2。その使い勝手を向上させるため、専用リグを装着した「アンデジ2 PRO」や小型化を目指した「アンデジ2:Type-Loki」、同製品の後継機種をベースとした「アンデジ3:Type-Theseus」など、斬新すぎる改造プランをこれまでに披露してきました。

　現在もアンデジシリーズの性能アップに取り組んでいるKamitabaさん。今回はこれまで触れてこなかったアンデジ2の画質面に手を入れて、さらなるプロ仕様へとカスタムします。

画質向上のため採用したもの

　まず正攻法である、カメラの心臓部であるイメージセンサーをより性能の高い物への換装にチャレンジします。しかし取り寄せた部品をソフト側が認識しなかったので、このアプローチは断念。こうなってしまっては高画質化、高画素化は不可能なのではないかと悩んでいると……。Kamitabaさんの脳内に天啓が降りてきます。

　突破口を開いたのはSONYの「レンズスタイルカメラ」。液晶モニターすら付いていない“撮影できる円筒形”という奇抜なデザインが光る商品です。Kamitabaさんはこの「トンチキなカメラ」の熱心なファンだそうで、より使いやすくするため「iPhone 15 Pro Max」に「レンズスタイルカメラ」を取り付けられるMagSafeアダプターを自作していました。

　Kamitabaさんは、このレンズスタイルカメラとMagSafeアダプターに着目。撮影用モジュールとして起用し、アンデジ2からカメラ機能を完全に切り離すプランを思い付きました。発想の転換がすごい。

　これまでの改造を通じて、Kamitabaさんの中で、アンデジをアンデジたらしめている点は「アンパンマンがしゃべり散らかす点にある」という結論は出ています。撮影時にアンパンマンのボイスが響き渡れば、それはアンデジです。

　Kamitabaさんのアイデアは、レンズスタイルカメラに撮影を任せ、アンデジ2にはグリップ兼ボイスモジュールとして声出しに専念してもらう、というもの。「そうすれば、戸田恵子ボイスを高らかに響かせつつも、大きなイメージセンサーできれいな写真が撮影できるというわけです」と語っています。Kamitabaさんの突き抜けたセンスが伝わってくる。

完成した新型のアンデジ2

　早速アイデアを形にすべく「アンデジ2専用:MagSafeアダプター」を製作。アンデジ2の中心にぽっかりと開いた空洞で、以前より「ガラスレスファインダー」と呼ばれ愛されてきた要素を泣く泣く断念。前後から挟むようにアダプターを取り付け、レンズスタイルカメラとMagSafeでくっつけたら「アンデジ2 HR」の完成です。

　また、アンデジ2本体の赤い部分をブラックに塗装。レンズやアダプターの色に合わせることで統一感を出していきます。アンパンマンのフェイスプレートでかわいさや童心を残しつつも、中心部をモノトーンにすることでスタイリッシュに仕上がっています。これがあのアンデジ……？

　使い方は奇妙かつシンプル。両モジュール起動後、各レンズの位置が異なる点を考慮しつつ、アンデジ2側の液晶モニターで画角を把握します。後は、アンデジ2のボイスボタンを好きなだけ連打しつつ、レンズスタイルカメラのシャッターボタンを押せばOKです。戸田恵子ボイスの出番だ……！

その性能は

　アンデジ2 HRで撮った写真は、当然ながらレンズスタイルカメラ単体で撮影したものと同一。Kamitabaさんは“アンパンマンのボイスを響かせながら撮った”という点に価値を見いだしてほしいと呼びかけています。

　本体のビジュアルからは想像できないキレのある写真が撮れるアンデジ2 HR。トイカメラとして使う楽しさを保ちつつ、作品用の写真撮影にも有用なレベルに仕上がりました。

　見た目と“性能”のギャップが楽しい新型アンデジには、「アンパンマーン新しい身体よーー！」「アンパンマングッズは話題に事欠かかないな」「これ使って都内で撮ったんですよね…ハート強すぎませんか」「子供を撮る時に実はむちゃくちゃ実用的なのでは？」「落ち着いた音楽と狂った映像　俺達はこれを求めてるんだよな」などの感想が寄せられています。

　Kamitabaさんは、X（Twitter／@kamitabaphoto）やnoteも運営中。自身が撮影した写真や、カメラに関する情報を発信しています。

動画提供：YouTubeチャンネル「Kamitaba Log」さん