
海外に行った人に話を聞くと、日本の治安は素晴らしいという声を耳にします。忘れ物をしても届けてくれるのは海外では当たり前ではないそうです。日本に比べると治安がよくない海外のイメージですが、逆に驚くような出来事に遭遇することもあるようです。4人の子どもと一緒に約2か月半をかけて13カ国を回ったシングルファーザー・木村剛士さんに話を聞きました。(以下、『』内は木村さん談)
【写真】50歳になり仕事をやめ、家を売り、子どもたちと世界一周の旅へ…旅先での家族のスナップ
『日本にいるころから忘れ物が多く、かばんなどの荷物を紛失することの多かった私は、旅の中で荷物を見失わないよう注意していました。ただどれだけ注意をしていても、日本の治安の良さとは異なる海外では、戸惑うこともありました。
ボリビアでの話です。家族で飲食店に入り食事を楽しんでいた時のことです。うっかり油断してテーブルの上に置いたまま談笑していたところ、気が付くとあったはずのスマホがありません。どうも目を離した隙に盗まれてしまったようで、すぐに追跡機能を使ってスマホの所在を確認したのですが、どこかに持っていかれたあとでした。
数日後に再度確認したところ、スマホは現地でも有名な治安の悪い場所にあることがわかりました。現地の事情に詳しい人に尋ねると、「盗まれた物はたいていそこへ流れる。そして、そこへ行ったら最後、もう見つかることはない」と言われ、旅の厳しさを痛感させられました。』
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飲食店のテーブルの上であっても油断できないのは、盗難が多い海外ならではのエピソードといえます。一方で、忘れ物をきっかけに感動させられたこともあるそうです。
『タイのバンコクからカンボジアのシェムリアップへバスで向かう道中で、長女がスマホを忘れたことに気が付きます。どうもバンコクのバス会社の事務所に忘れたようで、なんとかならないかと彼女は運転手に交渉していました。
運転手からバス会社に連絡が入り確認してもらったところ、事務所でスマホが発見されます。ただバスはもうシェムリアップに向けて走り出しており、引き返すことはできません。片道で8〜10時間ほどかかるので、諦めるしかないと気落ちしていました。
いよいよバスがタイとカンボジアの国境に到着し、入国審査で待機していると見知らぬタイ人が近づいてきます。彼の手には長女のスマホがあったのです。バス会社の人たちが手配して、私たちの顔写真も共有しながらなんとかして見つけて持ってきてくれたんです。
ボリビアでの盗難という厳しい現実と、タイ・カンボジア間で体験した国境を越えた人の温かさ、忘れ物がつないだ旅の忘れられない「光と影」です。日本では考えられないようなトラブルかもしれませんが、予想外の親切に触れる体験も含めて親子ともどもかけがえのない思い出となりました。』
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◆木村剛士(キムラタケシ) 長野で4人の子どもたちと暮らすシングルファーザー。50歳になり仕事をやめ、家を売り、子どもたちと世界一周の旅へ出る。
(まいどなニュース特約・長澤 芳子)
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