「Galaxy S25」と「Galaxy S25 Ultra」のカメラはパッと見同じだけど結構違う AI撮影機能を試しつつ比較

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2025年06月08日 12:11  ITmedia Mobile

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調べてみると、カメラの仕様が全て違うのだった

 先日、サムスン電子の「Galaxy S25 Ultra」のカメラをレビューした。


【その他の画像】


 そうなるとGalaxy S25シリーズのベースモデル「Galaxy S25」のカメラってS25 Ultraと比べてどうなのか、ってところが気になるよね。そこで「S25とS25 Ultraのカメラはどう違う?」って話のついでに、Galaxy S25シリーズに共通するカメラ/写真関係のAI機能の話もしていきたい。


●カメラ的に「S25」と「S25 Ultra」は何が違う?


 Galaxy S25とGalaxy S25 Ultraは、同じシリーズでボディーの質感もほぼ同じ。(今までのGalaxy Sシリーズの流れを追ってない人からすると)「違いはアウトカメラの数とディスプレイサイズだけかな?」と思いがちだけど、実のところアウトカメラはけっこう違う。


 何しろボディーの厚みからして違うし。ボディーが薄いと、その分カメラユニットも薄くなるから。


実はセンサーからしてスペックが違う


 アウトカメラの数はS25が3つで、S25 Ultraが4つだ。S25 Ultraだけペリスコープ型レンズを搭載した「5x望遠カメラ」を備えている。残りは「超広角」「広角」「3x望遠」なので、一見「同じスペックなのかな?」と思いきや、実は3つ共に使っているセンサーが異なる。


 一部は微妙に、一部は大きくS25 Ultraの方がスペックが良いのである。


 まず超広角カメラは、センサーサイズこそ一緒だけど、画素数が違う。S25は約1200万画素、S25 Ultraは約5000万画素だ。


 画素数に差こそあるが、風景写真ならガン見したときに「S25 Ultraの方がディテール描写がいいかな?」というくらいの差しか感じられない。


 ただし、S25の超広角カメラは固定フォーカスなので、S25 Ultraで使える「フォーカスエンハンサー」(いわゆるマクロ機能)には対応しない。 違いを感じるとしたら、その辺かな。


 広角カメラはS25の「約5000万画素」に対してS25 Ultraの「約2億画素」、S25の「1/1.5型」に対してS25 Ultraの「1/1.3型」ってことで、画素数のみならずセンサーサイズも違う。 1x(等倍)で撮ったものに関しては違いは感じないけど、2xで撮るとほんのちょっと差を感じるかな。S25の方がセンサーサイズがちょっと小さくてレンズがF1.8な分、S25 Ultraよりちょっと近距離までピントが合う。


 ただ、こちらも大きな画面で等倍表示してガン見しない限り、気になりません。


 3x望遠カメラは、一見全く同じスペックだけど、実はS25の方がセンサーがほんの少し小さい。使う側としては気にしなくていいレベルだけどね。


 その先の望遠となると、当然ながら5x望遠カメラ(しかも約5000万画素!)を持っているS25 Ultraの方が有利なわけだが、せっかくなので10x望遠で撮り比べてみた。


 S25は3xの1000万画素センサーを使ったデジタルズームなので、明らかに5xの5000万画素センサーを使えるS25 Ultraの方が有利……なんだけど、中央部を見比べてみるとS25も頑張っている。けっこうスゴい。


Galaxy S25の作例


 では、ざくっとS25のその他の作例を。まず超広角カメラで撮った風景。


 続いて人物を、3x望遠と2x望遠(ポートレートモード)で撮ってみた。


 3x望遠カメラのポートレートモードでネコも撮ってみた。


 そしてナイトモードで夜景を撮ってみた。


 カメラとしてのランクは、S25 Ultraの方が上。だけどS25も使ってみると、それほどの差は感じなかったのである。差を明らかに感じるのは望遠撮影とフォーカスエンハンサーくらいだけど、たいていの人はS25で十分ですよ。コンパクトで薄いのもいいし。


●AIを使ったフィルター機能は使える?


 Galaxy S25やS25 Ultraのカメラでは、フィルター機能がリニューアルされている。色や階調をコントロールして好みの“画作り”を実現する機能だけど、エフェクト性を抑えて、画作りを微妙にコントロールできるようになった。


 こういう「ピクチャースタイル」的なものは、昨今のスマホカメラのトレンドでもあり、iPhoneにおける新しい「フォトグラフスタイル」に似た感じのものだ。


 スタイルは「ブリーズ」「パルス」「クリスタル」「シバー」「チル」「グロー」「アンバー」「サンビーム」「シャドウ」「シェード」とデフォルトで10種類が用意されている。名前だけだと、どう違うのかよく分からないのもあるけれど、リアルタイムでサムネイルが並ぶので、それを参考にして選ぶといい。


 いくつか撮り比べたのでピックアップ。


 それぞれのフィルターは、「色温度」「コントラスト」「彩度」「フィルム粒子(フィルムカメラっぽいざらつき)」などを調整できる。


 また、今まで撮った写真から1枚を選んで、それを元に新しいフィルターを作ることもできる。選んだ写真を解析して、フィルターを作ってくれるのだ。ただし、これはちょっと使いこなしが難しいかなという気はする。


●「Galaxy AI」はどう使う?


 そして、カメラや写真における「Galaxy AI」の話をしていこう。基本的に、写真に関するGalaxy AIが力を発揮するのは撮影した後だ。


 分かりやすいのがAIを駆使した不要なものの消去。Googleでいうところの「消しゴムマジック」に相当する機能だ。


 上の写真から、写り込んでるわたしを消すのである。


 他にも、ラフにスケッチしたオブジェクトを写真に挿入する機能とかもあるけれど、今回注目したいのは編集機能を介さない補正だ。


 例えば下の写真。飛行機を10xで撮ったのだけど、ご覧の通りすごくブレている。


 この写真をギャラリーで表示して、上にスワイプしてやる。すると「補正」ボタンが現れる。


 そして「補正」をタップすると……なんと手ブレを補正してくれるのだ。しかも、補正の前後を見比べることもできる。


 元の写真が大きくブレたので、補正後もちょっと不自然なところ残っている。けれど、小さなブレならキレイに補正してくれる。


 これ、写真によって現れるボタンが違うのがミソである。例えば、イヌ/ネコや人の写真だと「補正」「ライブエフェクト」に加えて「背景ぼかし」ボタンが現れる。


 ここで「背景ぼかし」をタップすると、その名の通り背景をしっかりとぼかしてくれる。


 追加のボタンは、他にもいくつかバリエーションがある。写真によっては「影を消去」「反射を消去」というボタンも出てくる。


 これらの機能は、編集機能(フォトエディター)の中ではなくギャラリーにあるのが面白いところ。自分で意図して修正や加工するのが「編集」機能で、こちらはAIからの「補正しませんか?」「背景ぼけかけませんか?」という提案、といった違いを明示しているのだろう。


 今はまだその辺が整理されきってない感もあるけど(消しゴム機能が2カ所にあるし)、近いうちに写真を撮った段階で「影が落ちているけど消しときましょうか?」といわれて「よろしく頼む」あるいは「いやそれには及ばぬ」って答える時代が来そうで面白い。


 個人的には、元の写真をちゃんと残しておいてくれるという前提で、どんどん挑戦してほしいと思っていたりします。



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