写真 日本代表は8日、FIFAワールドカップ26アジア最終予選・グループC第10節のインドネシア代表戦に向けて、大阪府内で調整を実施。冒頭15分のみ、練習を公開した。その後、DF関根大輝(スタッド・ランス/フランス)が報道陣の取材に応じ、自身にとってデビュー戦となった第9節のオーストラリア代表戦を振り返るとともに、来季に向けての展望も明かした。
5日にアウェイで行われたオーストラリア代表戦は、0−1でタイムアップ。2次予選を含めて、今予選初黒星を喫した。一方で、関根にとっては同試合が嬉しい日本代表戦のデビュー戦。昨年10月に追加招集という形で初の日本代表入りを果たし、以降は継続してメンバー入りを続けながらも、ピッチに立つことは叶わなかったが、オーストラリア代表戦では3バックの右に入ってフル出場を果たした。
関根は「まずはデビューできて良かったとは思っていますが、あの試合で課題はたくさん見つかりました」と振り返る。これまで日本代表の一員としてトレーニングを積んできたなかで、自身が3バックの右に入るイメージを膨らませており、DF板倉滉(ボルシアMG/ドイツ)やDF谷口彰悟(シント・トロイデン/ベルギー)など、今回は招集外ながらも日本代表を支えている選手たちのプレーを参考にしていたようだ。
「ランスにいる時からプレーを見たりしていて、自然と意識するようになった」という彼らは、関根に言わせれば「縦パスの精度、後半の疲れてきたタイミングでのリスク管理などを完璧にこなす選手」だという。「自分は縦パスを差すタイミングを逃すこともありました」とオーストラリア戦を振り返りながら、「滉くんや彰悟さんにいつかないといけない部分がたくさんあると感じた試合になりました。結果としても負けているので、成長しなければならないと思います」と、悔しそうに明かした。
そんな中で、7日の練習中には森保一監督と何かを話し込む姿も見られたが、「ボールを引き出す際の細かいポジショニングの部分や、3バックで相手を押し込んでいる時の、パスで相手を外すためのポジションについて」、認識を擦り合わせていたようだ。「(ボールを)持ち出す部分は求められていますし、オーストラリア戦でもチャンスがあれば見せたいとは思っていました」などと自身の強みに言及しつつ、「自分のところになるべく引き付けてパスを出す。どの選手もレベルの高い考えを持ってプレーしているので、自分のところで止まらないように、ちゃんと考えてプレーできるようには意識しています」と語った関根。次戦のインドネシア代表戦では、最終ラインから攻撃の起点となる関根の姿に注目しても面白そうだ。
また、現在の日本代表では、DF町田浩樹(ユニオン・サン・ジロワーズ/ベルギー)、DF渡辺剛(ヘント/ベルギー)と、オーストラリア代表戦に先発した最終ラインの選手たちが揃って離脱を強いられており、守備陣が手薄な状態となっている。インドネシア代表戦では、関根が“連戦”でスタートから起用される可能性もあるが、「コンディション面は自分的に問題ないです。またチャンスをもらえたら、前回の試合を上回るようなパフォーマンスを見せたいですし、見つかった課題を克服するような試合にして、チームとしての結果も求めたいです」と意気込んでいた。
なお、関根だけでなく、MF中村敬斗とMF伊東純也も所属するスタッド・ランスは、リーグ・アンの昇降格プレーオフに敗れ、来季は2017−18シーズン以来、8年ぶりにリーグ・ドゥ(フランス2部)に身を置くことが決まっている。当然、彼らの去就も気になる時期ではあるが、関根は「来年のことは全く決まっていない」と発言。「個人的にはレベルの高い環境でプレーしたい」と願望を明かしつつも、「仮にそうならなくても、置かれた環境で結果を出し続ければ、また代表には入れると思います」と述べ、次のように言葉を続けている。
「仮に2部でプレーすることになったら、圧倒的な数字やスタッツを残さないと、ここには戻ってこれない。向こうでやってみて、今の自分に足りないものも見えたので、オフからしっかり体を作って準備します」
「まだ来季がどうなるかわからないので、具体的な目標は描けませんが、とにかくやり続けるだけ。腐ることなく、目の前のことに全力で取り組んでいくつもりです」
【ハイライト動画】日本代表はオーストラリアに16年ぶり敗北