がんと生きる思いを言葉とアートで伝えるコンテスト 「リリー・オンコロジー・オン・キャンバス」の授賞式を開催

0

2025年06月09日 11:30  OVO [オーヴォ]

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

OVO [オーヴォ]

がんと生きる思いを言葉とアートで伝えるコンテスト 「リリー・オンコロジー・オン・キャンバス」の授賞式を開催

 がんと生きる思いを絵画・写真・絵手紙とエッセーで伝えるコンテスト「リリー・オンコロジー・オン・キャンバス がんと生きる、わたしの物語。」(日本イーライリリー・神戸市)の授賞式が6月6日(金)、神戸市内の日本イーライリリー本社会場とオンラインで行われた。




 リリー・オンコロジー・オン・キャンバスは、がん患者やその家族、友人を対象に、がんと告知された時の不安や、がんと共に生きる決意、がんの経験を通して変化した生き方などの「がんと生きる思い」を、絵画・写真・絵手紙のいずれかとエッセーで表現するコンテスト。2010年にスタートし、今回で第15回目を迎えた。選考は、作品の技術的・芸術的な評価ではなく、思いの表現面を重視。今回は、104点の応募の中から、エッセイストの岸本葉子さんら5人の審査員により、絵画・写真・絵手紙の3部門でそれぞれ最優秀賞1人・優秀賞1人・入選2人計12作品が選出された。




 最優秀賞は、絵画部門が中井智子さん(愛知県)、写真部門が轟穂乃佳さん(岐阜県)、絵手紙部門は齋藤紘子さん(神奈川県)が受賞した。




 中井さんの絵画作品のタイトルは、「来週の約束」。ある日突然、耳のがん・余命宣告を受けた父と、「来週の約束」ができる幸せをかみしめながら、 今まで通り週末に父と母と自分の3人で畑仕事をする時間を大切に重ねていく思いを、絵とエッセーで表現した。




 轟さんの写真作品は、「父のレンズ」。神経細胞に発生する悪性腫瘍の治療のために、視野の左側を失った父。何事も一人でこなしてきた父が以前のように行動できなくなり、思わずこぼした涙を、とっさにレンズに捉えた。つらさ、悲しみ、家族への愛、生命力が凝縮されているよう父の表情の美しさをエッセーにしたためた。




 齋藤さんの絵手紙作品は、「伝える事で役に立つ」。31歳で乳がんを告知された齋藤さん。結婚や出産で幸せそうな友人たちと自分を比べて自分を不運に感じていたが、14年後、齋藤さんの経験から毎年乳がん検診を受けていた姉に早期の乳がんが見つかり、治療を経て乗り越えることができた。自分のつらい経験も人に伝えることで役立てることがあるんだと前向きな気持ちになれた思いを、絵手紙につづった。




 審査委員の森香保里さん(四国こどもとおとなの医療センター 臨床研究部 アートサイコセラピスト)は、「笑顔や涙といった一つ一つの表現の裏には、痛みだけでなく、希望に向かう心の葛藤があって、審査員にとっても、このリリー・オンコロジー・オン・キャンバスでの経験は、私たちの考え方に深く影響している本当に貴重な機会だと感じています。今年の作品からは、人と人とのつながりや絆がとても強く感じられるものが多かった印象を受けました」と総評した。 




もっと大きな画像が見たい・画像が表示されない場合はこちら

    ランキングトレンド

    前日のランキングへ

    ニュース設定