中国の港に積み上げられたコンテナ=5月23日、湖北省武漢市 【北京時事】中国税関総署が9日発表した5月の貿易統計によると、対米輸出は前年同月比34.5%減の288億ドル(約4兆2000億円)だった。落ち込みは4月の21.0%から拡大した。輸入も18.1%減の108億ドル(約1兆6000億円)と3カ月連続でマイナスとなり、貿易戦争の影響が鮮明になった。
米中両国は4月、高関税をかけ合う貿易戦争をエスカレートさせた。5月にはスイスで閣僚級協議を行い、互いに関税を大幅に引き下げることで合意。これを受けて双方の貿易は回復しつつあるとみられるものの、比較的好調だった前年の水準には届かなかった。
全体の輸出は4.8%増の3161億ドル(約45兆6000億円)だった。一方、4月に輸出管理を強めたレアアース(希土類)は48.3%減とほぼ半減。携帯電話や家電も前年割れとなった。
輸入は3.4%減の2129億ドル(約30兆7000億円)。輸出から輸入を差し引いた貿易黒字は1032億ドル(約14兆9000億円)に膨らんだ。