
別居している高齢の親は心配だ。行政手続きから戸締まりや詐欺の電話の心配まで、常時心のどこかで気にかかってはいても、遠距離だとひんぱんに訪ねることはできないし、電話ではなかなか話がうまく通じないと思うこともある。「介護世帯のコミュニケーションに関する調査」(TQコネクト・東京)によると、遠距離介護をする人の7割がコミュニケーション不足を感じている。
現在介護を必要とする別居の親がいる60〜70代の人を対象に、5月27日にアンケート調査を実施、200件の回答を得た。介護中の親との連絡頻度について、週に1回以上が理想と考えている人が多かったが、実際は63%が「月に数回以下」で、理想の頻度に達していなかった。週に1回以上連絡をとっている人は37%にとどまっており、理想と現実にはギャップがあるようだ。施設に入居していると気軽に連絡しづらいという理由もあり、また必要な買いものやデイサービスの予定の確認などが中心になるといった意見も複数あった。

親とのコミュニケーション手段は「訪問」が69.8%、「音声電話」が42.6%。「LINEなどのメッセージアプリ」(9.5%)や「ビデオ通話」(1.8%)、「見守りカメラ・センサー」(0.6%)などのデジタルな手段は少数だった。親とのコミュニケーションで困った経験をたずねたところ、「同じことを何度も説明する必要があった」が41%で最多。「話がうまく伝わらなかった」(39.6%)、「相手の体調や様子がわからず不安になった」(23.9%)などが挙げられた。それゆえか、親と話す際に大切にしていることとして、「声だけでなく、なるべく顔を見て話す」(40.8%)、「体調や気分を気づかう」(37.9%)、「最後まで話を聞く」(27.2%)など、相手を思いやりつつ対話するという回答が多かった。

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コミュニケーション不足は、離れて暮らす親の孤立感やQOL(生活の質)の低下も懸念される。もっと気軽に連絡が取れる仕組みがあれば利用したいか尋ねたところ、59.5%が使いたいと回答した。親がスマホなどのデジタルツールを使いこなせない場合は、操作不要で家族とテレビ電話ができるタブレット端末などを検討してみてもいいかもしれない。※TQコネクト調べ