急に顔が熱くなって胸や背中まで汗でぐっしょりに……。更年期障害の症状の一つである“ホットフラッシュ”は、ただでさえ不快感の多い夏に追い打ちをかける……。
「ホットフラッシュは、更年期で女性ホルモンが減少したり戻ったりと急変動を起こし、それにつられて体温の調節機能をもつ自律神経が乱れることで起こります。血管の収縮と拡張をコントロールできなくなり、のぼせて顔が赤くなったり、上半身から汗が滝のように流れたりするなどの症状を引き起こすのです」
こう話すのは、成城松村クリニック院長の松村圭子先生。とくに夏は暑さによるストレスなどで自律神経が乱れ、ホットフラッシュを発症しやすくなったり、悪化したりしやすいという。
急に発症し、「人前で汗をかくのが恥ずかしい」「激しいほてりが辛い」という悩みを抱える人も多い。ホットフラッシュの症状で悩んでいるとき、すぐに試したい対処法を6つ教えてもらった。
【1】首周りを集中的に冷やす
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「バアッと出てくる汗を手っ取り早く止める“汗止め法”は、首回りを集中的に冷やすこと。首元を冷やすグッズや冷却スプレーなどで冷やすと、汗が引きやすくなります。冷えたペットボトルを首に当てるだけでも、血液が冷えて涼しく感じます」(松村先生、以下同)
外出先でも、冷たいペットボトルは自販機で購入できる。熱が出たときなどに使う冷却効果のあるシートを首のうしろに貼っておく手も。
【2】下半身を温める
「ホットフラッシュはとにかく“冷やせばいい”と思いがちですが、むやみに身体を冷やすのは逆効果。漢方の考えでは、上半身が火照っている=下半身が冷えているというアンバランスな状態です。靴下を履いたり、足湯などで足を温めるなど、下半身を温めることで血の巡りが良くなり、自律神経の働きも整って症状の緩和につながります」
【3】湯舟につかり、汗線を活性化させる
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「お風呂はシャワーだけですまさず、湯舟に浸かってしっかり汗をかきましょう。症状が強い人はとくに汗を出す汗腺が退化している恐れが。エアコンなどに慣れて、汗をかく習慣のないことが一因です。お風呂で毎晩汗をかいて発汗機能を高めることで、サラサラした乾きやすい汗になり、不快感が和らぎます」
【4】体の片側を圧迫する「半側発汗」を試す
「『半側発汗』は反射の一種で、身体の片側に圧を加えると、反対の片側だけが発汗する作用のことです」
両脇下と鎖骨から3cmほど下のあたりを着物の腰ひもやバンドなどで締めて圧迫すると、上半身の発汗が減り、下半身の汗が増えるという方法が一般的だ。
【5】イソフラボンを摂取する
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「イソフラボンを摂取できる豆乳を積極的に飲みましょう。さまざまな研究で、イソフラボンを摂取している人は、ホットフラッシュの発生率が低いことが分かっています。水分補給をするときは、甘い飲み物を避けて水やお茶などを常温で飲みましょう。ジュース類は血糖値が急激に上下することで自律神経を乱しますし、冷たい飲食の取り過ぎも自律神経に作用します。また、夏場はしっかりと水分を取ることが大切。水分の取り過ぎで汗が多くなる心配はありません」
【6】吸汗速乾の肌着を着るなど、衣服を工夫
「あせると、余計に汗が出て長引いてしまいます。吸汗速乾の肌着や通気性の良い服を着用して、落ち着いて収まるのを待ちましょう。外出時は着替えや汗拭きシートを持ち歩いておくと、慌てずにすみます」
対処法を試して、つらい汗だくの症状を少しでも和らげよう。
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