テレビの戦隊モノから企業PR系、ご当地系まで全国で増殖しつつあるヒーロー。
今、SNS上で注目を集めているのはなんとゴミ拾いをするヒーローだ。
「『ゴミ拾ってるようで自己顕示欲を満たしてる人がいるw』 自分の活動が評価されるべきとは思ってませんが、 少なくとも慈善活動をする人を侮蔑して嘲笑う人よりは、良いことしてる自信ありますよ。」
と自身が街のゴミを拾う動画を紹介するのはスミレンジャーZ（@iijNWqUQ7i41630）。
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「ゴミ拾ってるようで自己顕示欲を満たしてる人がいる」…心無い声を浴びながらも黙々とゴミを拾うスミレンジャーZ。彼はどんな思いでこの活動を続けているのだろうか。
ーー現在の活動をされるようになった経緯は？
スミレンジャーZ：スミレンジャーZというヒーローが誕生したのは1カ月前とかなのですが、ゴミ拾いヒーローとしての活動は8年前からやっています。最初はスラウザーというヒーローでして、キッカケは渋谷ハロウィンでした。元々ゴミ拾いや児童支援などの活動を10年くらいやっていて、ただの興味で他団体主催の渋ハロでのゴミ拾いに参加しました。ここは日本なのかと思うほど、壮絶なゴミに圧倒されましたが、後日もっと驚いたのはその日だけではなく渋谷は毎朝ゴミだらけになっている事実です。これは無視できるものではないと、居ても立ってもいられなくなりました。
渋ハロの時に簡単な仮装をして参加した時に、街行く人が声をかけてくれてモチベーションになったのと、活動する姿を楽しんでもらえる実感から、元々ヒーロー好きなこともあってオリジナルゴミ拾いヒーローを作ることにしました。ボランティアとは別に就職先でパワハラを受けて鬱病になり、一度引退したのですが、やはり居ても立ってもいられず、新たなヒーロー「スミレンジャーZ」として戻ってきました。今はゴミ拾いの傍ら、心理カウンセラーの資格取得に向けて勉強しており、障害者支援の活動もしていく予定です。
ーー今回の投稿に込めた思いは？
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スミレンジャーZ：直球で言うと、投稿にも書いたように、「慈善活動を嘲笑う人よりマシ」と伝えたかったからですね。実は、投稿の言葉を投げかけられた時、よく聞こえてませんでした。
何か言われてるとは思っても、あまりにも言われ慣れているので頭に入っておらず、活動記録用の録画に入っていた音声を聞いて気付きました。私の活動は大それたことを目指してはおらず、「ないよりマシ」や「1人でも良い影響を及ぼせれば満足」くらいでやっています。本投稿以外にも、言い方を変えて同じようなメッセージを投稿することもあります。
ーー……
スミレンジャーZ：現代では数字に表せない成果や、利益にならない活動は笑われる傾向があると、長いボランティア活動で感じています。微力でも、誰にも迷惑かけずに善いことができる人はヒーローだと思っているので、現代の成果主義にはかなり反骨精神があります（笑）。
成功者と呼ばれる人達は「稼いだ奴が正義」みたいな考えの人が多いですが、例え偽善でも周囲を利用して金を稼ぐよりずっと善ですから。だからこそ、「○○よりはマシだよ」という形で世の中に発信してます。それが今回の投稿は予想外に反響があってビックリでした。
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ーー投稿の反響について感想を。
スミレンジャーZ：自分でいうのも変なのですが、8年の活動でそこそこバズった経験はあります。しかしスミレンジャーZは新アカウントと共に誕生してから1カ月でこの反響をいただいたのは大変ありがたいですし、良い意味で予想外過ぎました。
私が反響をもらう時は社会批判のような内容が多いため、コメント欄や引用は結構荒れるのです。私自身が炎上するわけではないですが、「この世の中は腐ってる！」みたいな怒りに溢れていて、ちょっといたたまれない気持ちになります。
しかし今回は、嘲笑った人への批判はあれど、「やらない善よりやる偽善」といった、微力な善行を称賛してくれる人がたくさんいて、とても温かい気持ちになりました。こういう良い反響を大事にし、全国や世界で損得感情なく頑張っている人達の良さがより多くの人に伝わる活動をしていきたいと思っています。
◇ ◇
SNSユーザー達から
「善行は無私の心でやらなきゃならないみたいなことを他人に強要する人はいるものです。 偽善だろうが売名だろうが自己顕示欲だろうが、善い行いができるというのはそれだけで素晴らしい。 むしろ偽善すらできない自分を恥じろよと。」
「自己顕示欲を満たそうとして何がいけないの？という疑問もありますね。 みんな誰かに褒められたいし、 注目されたら嬉しいですよね。 暗い部屋で独りぼっちで可哀想な誰かに配慮してくれって意味ですかね？」
「そんなゴミの発言まで拾わなくても、、！！！」
など数々の応援の声が寄せられた今回の投稿。スミレンジャーZは渋谷、歌舞伎町など東京都下の繁華街を中心に日々、ゴミ拾いのボランティア活動を展開中。見かけた方はぜひ応援していただきたい。
（まいどなニュース特約・中将 タカノリ）
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