写真 節約のためにマイボトル生活を始めたものの、帰宅後の「乾かす作業」が面倒で、結局またペットボトルに戻ってしまった――。そんな経験、ありませんか?
とくにこれからの梅雨シーズンは、水筒や縦長グラスの内側がなかなか乾かず、雑菌が繁殖しそう、乾いた水滴のあとが残ってなんだか不潔っぽい…。
そんな“地味だけど切実な悩み”を一発で解決してくれる救世主を、無印良品で見つけました!
もし外出先でペットボトルを月20本買ってたら約3000円。マイボトルにしてこれを節約しちゃいましょう。
◆半信半疑で手に取った「ただの白い棒」
その商品とは、無印良品「ボトル乾燥スティック」税込990円。
はじめてこれを見たときの感想は、正直「え、これで本当に乾くの?」でした。その見た目は、まさに“白い棒”。地味だし、本当に役に立つのか疑問で、買うかどうか迷いました。でも、ネットストアのレビューを読むと「カラカラに乾いた」「想像以上に乾く」など、絶賛コメントがずらり。
それならと、購入してみました。
◆比べてみてわかった“地味すご”な実力
実際に同じサイズの調味料ボトルを2つ使って実験してみました。
・片方は逆さまに置いて乾燥
・もう片方は、乾燥スティックを中に入れて放置
4時間後、確認してみると明らかな差が。
逆さにしていた方にはまだ水滴が残っていたのに対し、スティックを入れておいた容器は内側までしっかり乾いていました。
「凹凸がある部分は乾きにくいのが当たり前」と思い込んでいたので、これには本当にびっくり。たった1本の棒でここまで違いが出るなんて……!
◆多孔質セラミックスの実力は凄まじい
この“白い棒”の正体は、多孔質セラミックス。小さな穴が無数に開いた素材で、住宅建材の「エコカラット」などでも知られる、LIXILが開発した高機能素材です。
なんと吸放湿性能は、あの珪藻土の約5倍! つまり、珪藻土バスマットをさらに進化させたような力を、この小さな棒が秘めているんですね。
使い方は簡単。洗った水筒にスティックを入れるだけ。ボトルをそのまま逆さまにして乾かすよりも約半分の時間で乾かすことができます。セラミックスはシリコーンゴムで覆われているので、ガラスやボトルを傷つける心配もありません。洗った水筒にポンと入れるだけで、驚くほど時短で乾燥できます。使わないときにはフックにかけて、吊るして乾燥させておけます。
◆3時間では乾かなかった
いいことづくめの商品ですが、少々気になることもありました。
それは、パッケージの裏面には、「スティックを入れておけば約3時間で乾燥」とあったのですが、実験では、3時間では完全には乾いていませんでした。
ただ、これは商品に問題があるというよりも、使用環境の影響も大きいと思われます。
・実験日は雨で湿度が高かった
・容器が小さく、スティックと接触する面積が少なかった
・十分な水切りをしていなかった
といった条件が重なっていました。
3時間で乾かすには、製品説明にも記載されているとおり、使用前にしっかり水気を切ることが乾燥時間短縮のポイント。早く乾かしたいときは、水切りを念入りにしてから使うのがおすすめです。
◆縦長グラスでも使える
実はこの乾燥スティック、水筒以外にも活躍します。重宝しているのが、縦長のグラスの乾燥。ワイングラスやシャンパングラス、ビアグラスなどの細長い器にもポンと入れておくだけで、内側までスッキリ乾きます。乾燥しづらい形のグラスほど、活躍してくれるシーンが増えそうです。
990円するスティックを何本も買うのは抵抗ありますが、グラスの数が少なければ1〜2本で使い回せそうですね。
「水筒が乾かない問題」は一見ささいに思えても、毎日のこととなると意外とストレス。前日に洗った水筒が朝まで濡れていると、「雑菌やカビが繁殖していないかな……」「ちょっとニオってる?」と不安になることもありますよね。
そうした小さなモヤモヤが重なって、「やっぱりペットボトルの方がラクかも」とマイボトル生活を諦めてしまった人もいるのではないでしょうか。
そんな人にこそおすすめしたい無印良品の「ボトル乾燥スティック」。まさに“地味スゴ”な名品でした。
<文・写真/栗山佳子>
【栗山佳子】
損害保険会社で情報誌の編集に携わったのち、生活情報誌、住宅情報誌の編集を経てフリーランスに。現在はライターとして、ライフスタイルやスマホ関連の記事を中心に執筆中