大阪府警本部=大阪市中央区 大阪・ミナミの不動産を巡り、計約14億5000万円が詐取された「地面師」事件で、指示役とみられる福田裕容疑者(52)が代表を務めていた法人の口座に、売買の手付金として5000万円が振り込まれていたことが16日、捜査関係者への取材で分かった。同容疑者は「自分の取り分は1億円」と供述しているといい、府警捜査2課は金の流れを詳しく調べている。
登記などによると、この法人は大阪府岸和田市にある金属加工液の製造販売会社。事件直前の昨年1月、福田容疑者が代表に就き、翌月には事件で売買された土地と建物を実際に所有する不動産会社と同じ社名に変更され、業務内容も不動産売買や賃貸業に変わった。
捜査関係者によると、取引相手に正当な売買と信じ込ませるために社名などを変更して偽装し、取引の手付金を振り込ませていたとみられるという。
福田容疑者は今月4日、昨年2〜3月に大阪市中央区道頓堀などの土地と建物の売買代金名目で、不動産会社の40代男性2人から計約14億5000万円を詐取した疑いで逮捕された。