外国人観光客の“撮影マナー”が酷すぎる…着物姿で歩いていたら「いきなり密着」「勝手に撮られまくった」女性の嘆き

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2025年06月16日 16:20  日刊SPA!

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※写真はイメージです
 インバウンド需要に沸く日本。しかし今、各所では外国人観光客による“マナー違反”が問題となっている。日本と海外ではマナーに関する認識が異なることも多く、彼らに悪気はなくとも周囲が「迷惑」と感じてしまうケースが少なくない。
◆境内の枝を折って記念撮影する外国人観光客にア然

 観光地でのマナー違反は様々な形で目撃されるが、特に神社・仏閣という日本の神聖な場所での無配慮な行動は周囲に不快感を与える。

 佐藤健一さん(仮名)は紅葉が見頃を迎えた鎌倉を訪れた。週末とあって、駅前から人で溢れかえっていたという。

「神社の境内にたどり着くと、木々が赤や黄色に色づいてとても綺麗だなって。そこには外国人観光客の姿も多く見かけました」

 美しい風景を楽しんでいた佐藤さんだが、その時間は突然、壊されることになる。

「本殿近くの紅葉の木のそばで、欧米系の観光客グループが笑いながら話しているのが目に入りました。その中の金髪の若い男性が、1本の枝を見上げて何か言いながら、手を伸ばしてぐいっと枝を引き寄せると、そのままポキッと折ってしまったんです」

 彼の姿を見て、一瞬で周囲は静まり返った。あまりにもあっさりとした動作に、佐藤さんは最初、何が起きたのか理解できなかったという。しかし、男性が笑顔で枝を手にしているのを見て、状況を把握した。

「枝は細いものでしたが、一番美しい部分だったと思います。彼はそれをまるで記念品のように持ち、仲間たちと並んで記念撮影を始めました」

 ここは日本人にとって神聖な場所である。

 あまりの無神経な行為に、佐藤さんは呆れたという。だが、英語で注意できるわけもなく、ただその場で固まるしかなかった。周囲の人々も同様に、見て見ぬふりをするような雰囲気になっていたそうだ。

◆巫女さんの言葉に「ソーリー」と謝罪

 誰も声をあげることができないモヤモヤした空気の中、1人の巫女さんが現れた。彼女はやや緊張した面持ちながらも観光客に話しかけたという。

「英語で『ここは神聖な場所なので、植物を傷つけないでください』とか、『木を折るのはご遠慮ください』みたいなことを言っていました。語気は柔らかく、それでも言葉は強くてしっかりしていた印象です」

 最初はワケがわからず呆然としていた観光客たちも、巫女さんの言葉を受け止めたようで、金髪の男性は「ソーリー」と言いながら、手に持っていた枝を返すと、気まずそうに去っていったそうだ。

 佐藤さんは「文化の違いと言えばそれまでかもしれませんが、それで片付けていい問題ではないと思いました」と当時を振り返る。

◆“着物姿の日本人女性”として「写真撮影の的」に

 千歳珠奈さん(仮名)は、友人と鎌倉へのプチ旅行を計画した。

 数年前に一人旅した際に、着物レンタルと人力車での観光が楽しかった経験から、友人にも同じプランを提案したという。

「着物に着替えて人力車に乗り込み、いよいよ観光スタート。その時はワクワクした気持ちでいっぱいでした」

 鎌倉の街を巡る中で、たまに外国人観光客に写真を撮られることがあったが、当初は気にしていなかった。

「人力車の上だし、顔もハッキリとは写っていないだろうからまあいいかなって」

 しかし状況は鶴岡八幡宮に到着してから一変する。人力車を降り、友人と歩いてしばらくすると、外国人観光客の男性2人組が近づいてきたのだ。

 英語で「一緒に写真を撮りたい」というので、千歳さんと友人は「1枚くらいなら」と許可をした。だが、これが悲劇の始まりだった。

◆勝手に密着してくる男性も…

「写真を撮り始めると、知らない外国人観光客がたくさん集まってきちゃったんです。私と友人を取り囲むと、許可もなくそのまま勝手に撮影してきて……まるで“撮影会”のような状態に陥ってしまったんです。

 さらに、いきなり肩を組んでくる男性もいて驚きました。私たちは最初の1組しか撮影をOKしていませんし、ましてや密着するようなことも許可していません」

 外国人観光客たちは「前の人がしていたから良い」と考えているようで、次々と体を密着させた写真撮影が続いたという。抗議しようにも彼らは聞く耳をもたず、困ってしまったんだとか。

 鎌倉という日本を代表する観光地で、着物姿の日本人女性は格好の“被写体”となってしまったのだ。

 満足した外国人たちは、次々と何も言わずに立ち去っていったという。

 この予期せぬ事態により、千歳さんたちの観光スケジュールは大幅に狂ってしまった。人力車の利用時間や着物のレンタル時間も限られていたため、結局、鶴岡八幡宮はささっと参拝するだけで次の予定へと急ぐしかなかった。

「せっかくの鶴岡八幡宮をゆっくり堪能することができず、非常に残念な思い出となってしまいました」

——外国人観光客の数は増加の一途を辿っているが、「嫌な思いをした」という日本人が増えているのも事実なのだ。

<文/藤山ムツキ>

【藤山ムツキ】
編集者・ライター・旅行作家。取材や執筆、原稿整理、コンビニへの買い出しから芸能人のゴーストライターまで、メディアまわりの超“何でも屋”です。著書に『海外アングラ旅行』『実録!いかがわしい経験をしまくってみました』『10ドルの夜景』など。執筆協力に『旅の賢人たちがつくった海外旅行最強ナビ』シリーズほか多数。X(旧Twitter):@gold_gogogo

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