インターンシップや就職活動が本格化するなか、学生たちはその準備にもお金がかかると感じているようだ。大学3年生(大学院生を含む)の約8割が就活のために預貯金を検討していることが、マイナビ(東京都千代田区)の調査で分かった
5月の就職説明会やキャリア教育などへの参加率は27.1%と、前月(15.9%)から11.2ポイント増加した。インターンシップや仕事体験に参加した割合は30.2%で、前月から11.9ポイント増加。インターンシップなどの開催が本格化する夏を前に、学生の動きが活発になっていることがうかがえる。
大学3年生の心境を聞くと、「もう半分終わってしまったという焦り」が83.1%を占めた。回答者からは「周りは就活準備を進めているのに、自分はまだほぼやっていないため焦りがある」「研究との両立を考えると時間が足りないと感じてしまう」といった意見があった。
就活に向けて実際に預貯金をしている学生は33.8%。さらに「したいけどできていない」(45.9%)を含めると、預貯金の意思がある学生は全体の約8割に達している。
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●預貯金の目的
預貯金の目的について尋ねたところ「交通費」(64.4%)が最多で、「アルバイトができない期間の生活費」(56.0%)、「宿泊費」(32.0%)が続いた。
「マイナビ企業新卒採用活動調査」によると、企業が実施したインターンシップ・仕事体験の形式は、2025年卒対象では「すべて対面で実施」が44.0%となり、2023年卒時点と比べて15.7ポイント増加した。同社は「実施場所が遠方、かつ交通費が支給されない場合に備えて預貯金を検討しているのではないか」と分析した。
就職後に毎月の給料から貯めたい金額を聞いたところ、「5万円以上」と回答した学生が54.6%にのぼり、半数を超えた。前回調査で理想の初任給額は、25万円が最多だった。この結果から、学生は初任給の約20%を預貯金に充てたいと考えているようだ。
「マイナビ大学生低学年のキャリア意識調査(2027・2028年卒対象)」によると 「お金に対する不安」(76.3%)が最多だったことから、学生たちは将来への備えを強めているようだ。
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調査は5月20〜31日にインターネットで実施。2027年3月卒業見込みの全国の大学生、大学院生を対象とした。有効回答数は3051人。
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