写真毎年11〜12月に、沖縄県で「ジャパンウィンターリーグ」を主催、運営している株式会社ジャパンリーグ(鷲崎一誠代表取締役)は、6月19日、記者会見を開き、今夏、沖縄県で開催する「ジャパンサマーリーグ」の実施概要を発表した。
「ジャパンサマーリーグ」開催の経緯
「ジャパンウィンターリーグ」は、11月末に、プロ、アマの選手が、沖縄県に集結し、チームに分かれてリーグ戦を行うという「トライアウトリーグ」で、海外からの参加者も多く、翌年以降に新たなプロや社会人チームに進むという「登竜門」的な目的が大きかった。
2022年に開始した当初は、野球部に退部届を出した大学生、高校生も参加していたが、23年からNPBや台湾のプロ選手なども参加するようになり「プロアマ規定」に抵触するため、学生選手が参加できなくなった。
鷲崎代表は慶應義塾大学野球部出身だが、大学時代は出場機会に恵まれなかった。最終学年でアメリカのウィンターリーグに参加し、そこで「野球をやり切る」ことができた。友人もできて一生忘れられない思い出となった。
そうした思いを、同じ野球をする学生、生徒にも味わわせたいという意図で「ジャパンウィンターリーグ」を始めた。それだけに学生、生徒が参加できなくなることを残念に思っていた。
そこで今回、高校3年生を対象としたサマーリーグを始めることにしたのだ。
「夏の地方大会を終えた選手たちが誰でも参加できるプラットフォームとして、スキルアップ、思い出作り、仲間づくり、進路についても考えられる機会を提供します。
野球選手としてのキャリアはもちろん、進学、就職、独立などの将来のヒントを見つける時間を提供します。
未来の可能性が無限大の18歳が集う、アスリートのオープンキャンパスを作ります」
鷲崎代表は語る。
■開催概要
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日時:2025年8/2(土)〜8/8(金)
定員:80名(4チーム)※先着順
試合数:全7試合
球場:嘉手納町野球場(沖縄県嘉手納町)
対象:全国の高校3年生
費用:55,000円
嘉手納町野球場はDeNAベイスターズ二軍の春季キャンプ地だが、今年3月に大改修が完了し、人工芝の最新球場に生まれ変わっている。
費用の中には、交通費、宿泊費、ユニフォーム代、バット、用具代などは含まれない。
参加選手には、
・打者は22〜28打席
・投手は6〜9イニング
を保証する見込みだ。
各チームには、経験豊かなコーディネーターが付き、試合の指揮を執るほか、指導も行う。
またジャパンウィンターリーグと同様、アナリスト、トレーナーなども選手の指導、アドバイスを行う。
また試合では、スイングスピードなどを計測するBLASTと、打球投球の各種データを計測するトラックマンが設置され、投打のデータを計測。コーディネーターとアナリストが選手にフィードバックする。
試合は毎日12時50分までに2試合が行われる。午後は「レベルアッププログラム」と題して経験豊かなコーディネーターなどが講義を行う。こちらは自由参加だが、野球だけでなく将来のことを考えるヒントになる内容。自由参加で、外部から受講することもできる。
14時から16時が自主トレーニングとなっている。
野球界の登竜門を沖縄に
ジャパンサマーリーグ代表の知花真斗氏は、
「不運なケガやちょっとしたタイミングのずれでチャンスをつぶしてしまった選手や、そもそも実戦の機会が少ない選手は数多くいます。そういった選手に真剣勝負で野球をプレーする実践現場を提供したいと思っています。
そうすることで選手は報われ、また野球界全体としての底上げにつながると信じています。
また、全世界の野球選手が沖縄に集まり、成長し、また世界に羽ばたいていく。野球を通して人がつながり、人として成長していく。
ジャパンサマーリーグを経験した人材が世界に貢献していく。野球界の登竜門を沖縄に作りたいと思います」
と語った。
ジャパンリーグの鷲崎代表は、
「大学やプロで野球を継続したい選手、これまで試合に出られなかった選手に参加してもらいたいと思います。また、野球に区切りをつけて次の目標を目指して挑戦したい人にとってもいい経験になると思います。どんどん挑戦してほしいですね」
と語った。
すでに3回の実績があるジャパンウィンターリーグの豊富なノウハウを有するスタッフが、高校生たちの夏をサポートする。
募集対象は全国の高校3年生と言うことになるが、沖縄県と言う立地を考えると今回は沖縄県中心になるだろう。
鷲崎代表は、将来的には全国各地でサマーリーグを開催したいと話した。
高校野球をめぐる環境は大きく変化しつつある。地方大会が終われば高校野球は終わり、というスタイルも変わりつつあるのだ。
高校生たちの積極的な参加を期待したい。(文:広尾晃/写真:(株)ジャパンリーグ提供)