ラジオNIKKEI2020に出走したバビット(写真は有馬記念、ユーザー提供:megさん) 波乱傾向のラジオNIKKEI賞だが、近10年の勝ち馬で最も人気薄だったのは、20年のバビットだ。急遽の内田博幸騎手への乗り替わりも何のその、8番人気の低評価を覆し、鮮やかな逃げ切りを決めた一戦を振り返る。
この年のラジオNIKKEI賞は単勝オッズ10倍未満が5頭もいる混戦模様だった。上位人気4頭はいずれも前走で1勝クラスを勝ったばかり。そんな中、同じく2勝目を挙げたばかりにもかかわらず、印が薄かったのがバビット。未勝利勝ちが福島、1勝クラス勝ちが新潟と、ローカルでの競馬が続いていたことが嫌われたのか、単勝オッズ20.2倍の8番人気だった。
しかし、レースはワンサイドだった。最内枠からハナを奪うと、前半1000mが59秒6の平均ペースで快調に飛ばす。4角を迎えても手応えは衰えない。直線に向いて後続を突き放すと、最後は後に海外GIを2勝するパンサラッサに5馬身差をつけてゴール。驚きのパフォーマンスで重賞初制覇を果たしたのだった。
実は内田博幸騎手は代打騎乗だった。前走の早苗賞に続き、団野大成騎手が乗る予定だったが、当日の7Rで落馬負傷。急遽、手綱を取ることになったのだ。この勝利によってデビュー戦から5戦連続の連対となったものの、これが5人目のパートナーでもあったバビット。そんな個性派は8歳を迎えた今年も現役だ。勝利からしばらく遠ざかっているものの、もうひと花咲かせてくれることを期待したい。