「ドジャース投手陣は故障者が相次ぎ、火の車状態になっています。そんななか、昨年11月に左膝半月板の手術を経て、今月15日(日本時間)の本拠地でのジャイアンツ戦で今季2勝目を挙げた“大先輩”の復活劇に大きな刺激を受けたことが、二刀流再開につながったと聞きました」(在米ジャーナリスト)
6月17日、ドジャース・大谷翔平選手(30)は、エンゼルス在籍時代の’23年8月24日のレッズ戦以来、663日ぶりに登板。パドレスを相手に1イニングを投げた。
「161キロの投球を披露し、順調な回復を示しました。ただ、当面は大谷選手の登板は1〜2イニングの見込みで、先発としての本格的な登板は7月のオールスター戦以降となるようです。現地の番記者の間では、真美子さん(28)がスタジアムに来なかったのは、“完全復帰”のタイミングで観戦を予定しているからなのではないかといわれています」(スポーツ紙記者)
大谷の二刀流魂に火をつけた“大先輩”こそ、ドジャースのレジェンド投手、クレイトン・カーショー選手(37)だった。『メジャーリーグ・完全データ選手名鑑2025』の著者でスポーツライターの友成那智さんは言う。
「カーショー選手は’06年の入団以来、ドジャース一筋で“生涯ドジャース”を宣言している大ベテラン。シーズン最高の投手に与えられるサイ・ヤング賞も3回受賞し、累計年俸は350億円を超える球界屈指のスタープレーヤーです。史上20人目となる通算3千奪三振にもあと8と迫っています。
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昨年、ナ・リーグMVP発表のプレゼンターとして、同僚となった大谷選手の名前を発表したのもカーショー選手でした。これは現地では“因縁”を払拭するためだったのではといわれています」
かねて大谷はカーショーに憧れていた。日本ハム時代の’16年、『日刊ゲンダイ』のインタビューでこう語っている。
《もともとカーショー選手が好きだったんです。独特ですけど、理にかなった投げ方なので。すごくいいなと。(略)左であそこまで上から思い切りたたくピッチャーもあまりいないですし。すごく軌道が読みづらそうだなと思いながら見ています》
2人が初対面したのは翌’17年。友成さんによれば、くしくもそれが“因縁の始まり”となったとか。
■第5子が……父としての姿勢にも敬服
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「この年のオフに大谷選手はポスティングシステムでメジャー各球団と面談しました。その際、ドジャースから同席を求められた一人がカーショー選手だったのです。
実はその日は、カーショー選手の結婚記念日でした。大谷選手は結局エンゼルスを選びましたが、その理由が“DH制があるから”でした。登板日以外で、ほかのポジションを守るのは体力的な負担が大きかったという主張です。当時、ドジャースが属するナ・リーグはそもそもDH制が認められていませんでした。そのためカーショー選手は『彼はDHをしたいと心を決めているようだった。彼の興味を引いて契約するために数多くの人が相当な時間を費やしたんだから。そんな時間と努力を無駄にした彼の代理人に腹が立つ』と語り、これが“激怒事件”として一部で報じられたのです。
メジャーリーガーは家族を大事にします。特にカーショー選手は愛妻家で有名。せっかくの結婚記念日を“つぶされた”ように感じて快く思わなかったのでしょう」
カーショーは高校時代から交際していた1歳年上のエレンさん(37)と22歳で結婚。結婚生活は15年におよび、男の子3人、女の子1人にも恵まれた。
「公式戦でエンゼルスの大谷選手に対し、カーショー選手が許した安打は’22年のオールスターのみ。そのときも大谷選手を一塁牽制球でアウトにしています。ドジャースのエースとしてのプライドを見せたかったのでしょう。
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昨年、大谷選手がドジャース入りした際には“2人に確執がある”との噂が流れました。しかし、最近ではカーショー選手が“いつまでその話を引きずらなければいけないのか。もう何の問題もない。今ではいい思い出であり、笑い話”と、過去のわだかまりを否定しているといいます。チームメートとして大谷選手の人間性や野球に対する真摯な姿勢を目のあたりにして、カーショー選手の気持ちも変化していったのでしょう」(前出・友成さん)
実際、今月16日、カーショーはスポーツ専門局「ESPN」の生中継に出演した際、大谷に対して《今は少しファンのようなもの》と語っていた。また、投手復帰についても《彼が日々やっていることは本当に驚くべきこと。3割打ち、ホームランを打ち、盗塁をし、そして投げる。しかもよいピッチングだから特別なこと。感謝しています》とエールを送っていた。
だが、大谷がカーショーを尊敬するのは選手としてだけではない。
「プライベートでは4児の父として日々奮闘している姿勢にも敬服しているそうです。カーショー選手は16日の生中継の際、第5子となる女児妊娠も発表しました。エレン夫人は、ドジャース夫人会のリーダーとして長らく夫人会のメンバーを支えています。とても面倒見がいい人として知られており、第1子を出産した真美子さんにも定期的に連絡をくれるそうです。大谷選手はその温かい対応にも感謝しているといいます」(前出・在米ジャーナリスト)
前出の友成さんも言う。
「敬虔なクリスチャンでもあるカーショー夫妻は新婚旅行で訪れたアフリカ・ザンビアで孤児・ホープちゃんと出会い、それを機に’11年、慈善活動団体を設立したのです。あわせてカーショー選手は三振を取るたびに100ドルを寄付する『カーショーズ・チャレンジ』を立ち上げました。エレン夫人はその中心となって、アフリカやドミニカの恵まれない子供たちのために奉仕活動をおこない、今まで調達できた資金は2千300万ドル(約33億円)を超えているそうです。
メジャーリーガーには節税対策として財団を持つ人は多いですが、カーショー夫妻の財団は真剣に慈善活動に取り組んでいます。夫妻は何度もアフリカに足を運び、親に捨てられたり、HIV感染したりした子供たちのため児童養護施設も建てているのです」
今年1月、エレン夫人はNFL選手の妻がホストを務めるポッドキャスト番組に出演。ホストから「4人の子供の学校の送り迎えから、あれやこれやフルタイムで動いてまるであなたはスーパーウーマン。ご主人は年間160試合以上あって家を空けることが多い中、どうやってやりくりしているの?」という質問に対し、彼女は笑いながらこう答えた。
「これまでの結婚生活は、まるでジェットコースターのよう。洗濯物はたまるいっぽうだし、家の中はぐちゃぐちゃ。SNSにアップできるような完璧で素敵な写真は撮れないわ(笑)。でも、子供と過ごす時間は本当にあっという間。だから《ありのままで、今を楽しむ》が私のモットーなの。
冗談で『うちは近所のコミュニティセンターみたい』って言ってるのよ。私とクレイトンは《オープンドア(風通しのよい家)ポリシー》でね、うちの前には幼稚園があって、レモネードやコストコで売られているような大きなサイズのお菓子を準備しておくと、みんなが学校帰りに立ち寄ってくれるの。庭ではフットボールやサッカー、バスケをして遊んでいる。多いときには50人くらい集まるわよ。こういう場所を作りたかったの。子供たちが放課後に安心して過ごせる場所をね」
それほど子供好きなエレン夫人は、真美子さんをとても気に入っているという。
「“夫人会での所作がとても丁寧で上品”と絶賛していたと聞きました。イベントなどで真美子さんが子供たちと笑顔で触れ合う姿に自分と通じる部分を感じたのかもしれません。真美子さんもエレンさんの行動力に尊敬の念を抱いているといいます」(前出・友成さん)
“憧れの神夫婦”の存在が大谷夫妻の未来をさらに輝かせる――。
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