
《『ステルス無所属』なんて言ってるけど、違うよね 『無所属詐欺』でしょ?》
東京都議会議員選挙を終えた6月23日、『たけし軍団』所属のお笑いタレント、グレート義太夫がXを更新。“詐欺”との不穏な言葉を用いて疑問を投げかけた。
都議選に「無所属」で出馬した3人の候補者を、当選したのちに即「自民党」が追加公認。都議会自民党は3人の議席を加えて21議席としたのだ。これに義太夫は、選挙で“無所属”と謳いながら当選し、終わってみれば“実は自民党員でした”と議席を増やしたことに対し、有権者を欺いたとする『無所属詐欺』と訴えたわけだ。
案の定、SNS上でも、
《当選した途端、「自民党」を公表するなんて 正直言って、詐欺ですよ「無所属」だからと投票した人は、騙されたと悔しい思いをされているかと》
《自民党だけではなく、無所属なのにステルス〇〇党って多くなりましたね。有権者、騙された気分。投票する前によく調べないといけないですね》
|
|
有権者を「騙した」と受け止める声が多く、一方で投票の際には「候補者を調べる」ことを推奨する意見も。というのも全国紙・政治部記者によると、
「追加公認を受けた3議員は、都議会自民党で発覚した裏金問題に関与したとされる現職、また会派の出身で、その影響で非公認として立候補した議員ら。もとより“自民党の人間”で、選挙では公認されずに“無所属”での出馬に至ったのです。
が、そんな公認取り消しの事情を知らない、または“自民には投票したくない有権者”が、候補者一覧から“無所属だから”と選んだ可能性も十分に考えられる。中には“騙された”と感じる有権者もいたということ」
当初から自民党公認を目指しておりました
都議選後に自民党の追加公認を受けたのは、江戸川区選挙区の宇田川聡史氏(60)、島部選挙区の三宅正彦氏(53)、目黒区選挙区の青木英太氏(35)。青木議員は指摘を受けて、
《今選挙においては、当初から自民党公認を目指しておりましたが、目黒区の選考会において選出して頂けず、公認を得ることができませんでした。そのため、無所属での出馬を決意した次第です》
|
|
自身のXにて出馬に至った経緯を説明。自民会派を名乗らずに「無所属」として当選したことについても、
《『自民党と隠していたのでは?』というご意見も一部頂いておりますが、決して意図して隠していたわけではありません》
グレート義太夫が言う『無所属詐欺』説を否定し、自民党との間に「当選したら公認」との約束事もなかったと主張している。
とはいえ、当選前後での“所属”変更は「公職選挙法」において違反にならないのだろうか。該当しそうなのが、公選法235条第1項の《虚偽事項の公表の禁止》だ。
「政党その他の団体への所属」を虚偽か
《当選を得又は得させる目的をもつて公職の候補者若しくは公職の候補者となろうとする者の身分、職業若しくは経歴、その者の政党その他の団体への所属、その者に係る候補者届出政党の候補者の届出、その者に係る参議院名簿届出政党等の届出又はその者に対する人若しくは政党その他の団体の推薦若しくは支持に関し虚偽の事項を公にした者は、二年以下の拘禁刑又は三十万円以下の罰金に処する。》
|
|
今回のケースでは《その者の政党その他の団体への所属》に関する虚偽にも思えるがーー。
「立候補時に自民公認であることを隠して、有権者を“欺く”意図があって“無所属”を掲げたのならば違反を問われる可能性もあるでしょう。が、選挙時には“非公認”だったのは事実で、わざわざ“裏金問題で公認を外されての無所属です”と言うはずもない。
公選法の“抜け穴”といいますか、政治家のオハコである“法には触れていない”で逃げられると踏んでいるのでしょう。7月20日の参議院議員選挙では表向きだけではない、有権者による候補者への入念な品定めが必要になりそうですね」(前出・記者)
政治家に搾取されないためにも、有権者の意識改革も必要になりそうだ。