
TOKYO FMとJFN系列38局の音声配信プラットフォーム「AuDee(オーディー)」では、当番組のスピンオフ番組「茂木健一郎のポジティブ脳教室」を配信中です。この番組では、リスナーの皆様から寄せられたお悩みに、茂木が脳科学的視点から回答して「ポジティブな考え方」を伝授していきます。
6月14日(土)の配信では「人間関係を築く方法」に関する質問に答えました。
パーソナリティの茂木健一郎
<リスナーからの質問>
私は40歳で独身です。人と深く関わることが怖く、距離をとってしまうため、友達も少ないです。でも寂しがり屋なところもあるという、変な性格です。
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<茂木の回答>
自営業で人と関わるか関わらないかは自分で選べるとのことですが、リスナーさんのなかには、「うらやましい」と思う人もいるかもしれませんよ。人と関わることが避けられない仕事の方々は、あなたのようにマイペースで自分の時間を持つことができる生活を「うらやましい」と思うかもしれませんので、まずはそんなにご自身の今の状況は悪くないと思ってほしいです。
そのうえで、脳科学的なアドバイスを送るのなら、今の自分の状況を良いと思うためには「一度、思いきり人にまみれてみること」がおすすめです。合宿や団体旅行などに参加すると人との関わりが避けられませんし、どうしてもいろいろな人と話す時間があるので、あなたも話すと思います。パーティーや、地元の催しなどでも良いですね。ネットでも情報を調べられますし、公民館などにそうした集まりの掲示があるかもしれません。
ちょっと苦手だなと思われるかもしれませんが、そうした場に行ってみて、思いきり人と関わらざるを得ない時間を持たれてみたらいかがでしょう? 「やっぱりちょっと苦手だな」と思われるかもしれないし、「案外、こういう方法なら自分は人と関わるのは好きかもしれない」と気づくかもしれません。
それなら少しずつ人間関係を広げていくのも良いですし、あるいは「やっぱり無理して人といると疲れちゃうな、こういう人間関係は続かないな」と思われた場合は、今の生活に戻れば良いです。そうすると、「あれ、今の生活ってそんなに悪いものじゃないのかも」と思えるはずです。これは脳科学の言葉で「メタ認知」と言います。一度外側に立って、普段の自分の状況を見ると、よりクリアに見えるということですね。ちょうど旅行から帰ってくると、自宅の様子が今までとは違って見えるようなものです。
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どうしても人間は今の状況を未来に投影して、「これからもずっと孤独に生きていくのかな」と思ってしまうものですが、人生何があるかわかりません。いろいろな変化に適応できる柔らかい心を持つためには、時々ちょっと真逆のことをしてみると良いかもしれません。
僕は人と会うのが仕事というところがあって、立食パーティーなんかに行くと、ありがたいことにたくさんの人から声をかけていただけるんです。2時間のパーティーで、飲み物も一切飲まずにお話をさせていただいていることもあって、その後に自分のホテルの部屋に戻ると「ああ、1人って良いなぁ……」と、しみじみ思うんですよ。ずっと1人だと寂しいかもしれませんけれど、時々人と接すると、1人の良さも身に染みてきます。
人と関わる・関わらないはご自身で選べる立場とのことですので、ぜひ一度、人と関わることを試してみてください。きっかけとしては趣味、習い事、ボランティアに参加するなどが考えられるかなと思いますので、そうした情報も探してみて、試していただけたらなと思います。
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音声版「茂木健一郎のポジティブ脳教室」
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<番組情報>
番組名:茂木健一郎のポジティブ脳教室
配信日時:毎週土曜 22:30配信(予定)
パーソナリティ:茂木健一郎
番組Webサイト:https://audee.jp/program/show/11745
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