
全国の中学生の英語力について。実は6年連続で1位をとっているのが「さいたま市」なんです。知られざる“英語王国”はどう生まれたのか?秘密は授業にありました。
実は“英語王国”さいたま市 授業中の言語は「英語」で先生
「I heard you went to somewhere last Friday Saturday and Sunday,Where did you go?」
(先週の金土日どこかに行ったって聞いたけど、どこに行きましたか?)
児童
「I went to TATEIWA(舘岩)」
英会話からはじまる英語の授業。さいたま市にある鈴谷小学校では、英語の先生と外国語指導助手の2人で授業を進めていました。
Nスタは、5年生の英語の授業を取材させていただきました。
男子児童
「I eat SUSHI」
先生
「What SUSHI do you like?」
男性児童
「Egg!」
先生
「Egg? OK!」
授業中の言語は「英語」。児童たちもなるべく日本語を使わないようにしています。
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実は、さいたま市は知られざる英語王国。
23日、文部科学省が発表した調査結果によると、全国の中学3年生で英検3級相当以上の英語力がある生徒は52.4%。
政令指定都市別に見ると、さいたま市は89.2%と全国1位になったのです。(全国の公立学校を対象にした2024度の英語教育実施状況調査)
さいたま市民
「すごいですね。海外も身近に感じられていいのかなと思う」
「そういう街に住んでいて鼻が高い感じがします」
さいたま市が全国1位になるのは6回連続。その基礎になっているのが、さいたま市の小学校の英語の授業なんです。
さいたま市教育委員会 川又秀雄 主任指導主事
「さいたま市では、グローバル・スタディという独自の英語教育を平成28年度からすべての小中学校で実施しています」
グローバル・スタディとは、さいたま市独自の英語教育で、単なる語学学習ではなく、コミュニケーションに重点を置いた授業だといいます。
この日のテーマは「理想の朝の時間」。友達同士で理想の登校の仕方や理想の朝食などを発表し合います。
男子児童
「I eat steak」
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女子児童
「I go to school “どこでもドア”」
女子児童
「確かにそれいい!」
ちなみにNスタも…
Nスタスタッフ
「僕の英語聞いてもらっていいですか?」
「I get up at 6:00」
「どう発音とか?」
女子児童
「普通」
さいたま市は通常小学3年生からはじまる英語の授業を1年生から実施。授業時数は6年間で210時間ですが、さいたま市は419時間と約2倍になります。
Nスタスタッフ
「英語の授業は楽しい?」
女子児童
「It's fun」
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Nスタスタッフ
「Do you like English?」
全員
「Yes!」
グローバル・スタディ科専科教員
「楽しく英語を学べるようになってほしいなというのがあって、小学校の時点からなるべく話すことを中心にして楽しめるように授業を考えて作っています」
慶應義塾大学教授 教育経済学者 中室牧子さん:
英語をきちんと身につけてほしいと考える保護者の方はすごく多いと思います。これまでは、私立に行かせるとか、習い事でという方が多かったと思いますが、公立でここまでしっかりと英語教育をやっているのは、保護者の方からすると、選択肢が増えるというか、非常に良いことだと思いました。
さいたま市の英語教育にずっと注目していますが、3ついいところがあって、▼質の高い教員、▼研修がしっかりあること、▼データに基づいてきちんと分析をして、個々の子どもに合った指導法を開発している、その3つかなと思います。
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<プロフィール>
中室牧子
慶應義塾大学教授 教育経済学者
教育をデータで分析
著書「科学的根拠で子育て」