フジ・メディア・ホールディングスは25日、都内で株主総会を行い、新取締役に会社側が提案していた候補者11人が全員選任された。清水賢治社長(64)や元ファミリーマート社長の澤田貴司氏らが名を連ねた。一方で大株主のダルトン・インベストメンツの提案は否決された。
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株主総会後の取締役会を経てFMH社長に就任した清水社長は、穏やかな表情で会見場に現れた。会社提案の11人が取締役に採用され「全員が8割超の信任を頂いたと聞いています」と明かした。株主提案のダルトン側はSBIホールディングスの北尾吉孝会長兼社長ら12人の候補者を挙げていたが、賛成率は「一番高い人でも3割に達しなかった」という。
結果を受け、清水社長は「FMHとフジテレビの経営体制が完全に刷新されました」と明言。企業刷新を目指して掲げていた「改革アクションプラン」実行の環境が整備され、「生まれ変わるために真摯(しんし)にご検討頂いた全ての株主の皆さまに心より感謝いたします」と“再出発”に向き合った。
株主総会は時間、出席人数ともに昨年を上回った。昨年1時間50分だったのが今年は4時間28分。昨年の会場は社内だったが、今回は有明アリーナ。巨大な会場には朝から雨が降る中、昨年の162人の20倍以上となる3364人の株主が出席。総会自体はおおむね粛々と進んだというが、50人の株主から役員選任や企業刷新の進捗(しんちょく)、不動産事業の切り離しを中心に51件の質問が及んだ。
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前身のフジテレビ時代から40年以上要職に就き、今回の総会を機に取締役相談役を退いた日枝久氏はこの日も姿を見せず、無言のままでの退場となった。清水社長は「新しい人事案は日枝氏の影響力がないと断言できる」と強調。今後の経営については「大胆な改革と成長への取り組みを進める」と述べた。この日の株主総会で役員の刷新、ガバナンス(企業統治)強化に向け株主の信任は得られた。一方で、視聴者やスポンサー企業の信頼回復は道半ばだ。“新生フジテレビ”の改革の本気度が試される。
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