
「マ...、マダイ...!?」
魚のタイを足の爪でつかんで翼をひろげ、力強く大空を飛ぶトビの写真が「X」で話題を呼びました。いったいどういうことなんだ…!?
トビはタカ目タカ科の鳥で身近な猛禽類であり、鋭いクチバシと爪を持っています。タイをつかんだまま、ゆうゆうと飛んでいく姿を見た人たちから、驚きの声が寄せられました。
「トンビでタイを釣るということわざが……ない?」
「まさか、生け簀や漁港からかっさらってきたの? にしてもグルメね」
「贅沢ですね〜」
「いいもの食べてますね・・羨ましい」
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撮影者のお名まえは「もみじ卍ゅう」(@momiji_man_10)さん。コロナ禍におけるステイホームの時期にカメラを始めたのだそう。現在はデジタル一眼カメラにて野鳥を中心とした生き物を撮影しSNSに投稿しています。
記事執筆時点でポストには「8.6万件」もの「いいね」がついており、リプライにて「神戸のトビは舌が肥えてるようですね」というもみじ卍ゅうさんにくわしい話をお聞きしました。
「嘘でしょ!?」
――撮影地は神戸市だそうですね。
絶滅危惧II類である希少種のコアジサシという渡り鳥が神戸の海岸に繁殖に飛来してきている時期になったので、カメラ仲間と訪れました。コアジサシが急にソワソワして飛び回り始めたので何事かと周囲を見回したら、何かを掴んでいるトビを見つけました。
――この光景をご覧になったときのお気持ちは。
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鳥撮りの習性で脊髄反射のように撮ってみたところ、真鯛を捕まえているのを確認しました。一緒に居たカメラ仲間と撮影データを確認し「嘘でしょ!?」と驚いたのを覚えています。
――撮影に使用した機材と撮影方法を教えていただけますか?
カメラは「OM SYSTEM」というメーカーの「OM-1 MARK II」で、レンズは「M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PRO」という超望遠レンズを使用しています。 撮影方法については、羽根がブレないシャッタースピードにして、空がバックだったので「オールターゲットモード」にして「鳥認識AF(オートフォーカス)」で、手持ち撮影しました。 基本的に野鳥写真はこの組み合わせて撮影することが多いです。
平和なコメントがあふれてうれしい
――大きな反響がありました。
野鳥撮影を趣味とする人からはトビはありきたりでウケは良くないのですが、そうじゃない方々からすると、おそらく鷹(タカ)と同じように"縁起の良い鳥"みたいなイメージがあったみたいですね。
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そこに真鯛という、おめでたい席で用いられる魚を掴んでいるということで、コメント欄に「縁起がいい」「お祝いかな」「(繁殖期なので)出産祝いかな」「おめでたい」など、平和的なコメントで溢れていたのが嬉しかったです。今後もこういう写真を撮りたいというモチベに繋がりました。
カラスも…!?
さらに、もみじ卍ゅうさんは話題になったトビの写真に続き、「は?? どっから捕って来た???」という驚きの声とともに「カラスがタイをくわえて飛んでいく」写真も投稿しています。
もみじ卍じゅうさんは、トビについて「私は釣りや漁業に詳しくないので、トビがこの鯛をどこから持ってきたのかは不明です。トビの狩りは水面にいる魚を足だけ突っ込んで掴み取る事はできますが、果たして自分で海で捕ってきたのか、はたまた漁港からかっさらってきたのか、釣り人が捨てた鯛を持ってきたのか、具体的なことは全く分かりません」と言います。
カラスについては「トビの後から、カラスも真鯛をくわえて飛んでいたのも謎です。トビが捕ったマダイを奪い取ったのか(カラスは獲物の横取りをよくします)、漁港からかっさらってきたのか、釣り人が捨てたものなのか、こちらも出処はよくわかりません」としています。
(まいどなニュース特約・山本 明)