写真 「パタゴニア(Patagonia)」を日本で展開するパタゴニア日本支社が、劣化が進む日本の沿岸生態系の再生を目指し、新プロジェクト「リッジ・トゥ・リーフ(Ridge to Reef)」を立ち上げた。環境省との協定に基づき、同省が推進する「戦略的『令和の里海づくり』基盤構築支援事業」と連携することで、陸域と海域を一体的に捉えるアプローチで持続可能な海洋環境の実現に貢献する。
パタゴニアはこれまで、「私たちは、故郷である地球を救うためにビジネスを営む」というミッションに基づき、環境保護に取り組む活動を長年にわたり支援してきた。
同プロジェクトは、高度経済成長期の埋め立てなどにより大幅に縮小し、生物多様性が長期的な悪化傾向にある日本の沿岸生態系の健全性の回復が目的。パタゴニア・インターナショナル・インクは、「健全性の回復には海域だけでなく、その源流となる陸域を含めた流域全体を見据えた広域的な視点を必要とするが、多様な関係者の協働が求められるため、いまだ十分な施策として展開されているとは言えない」と説明し、同プロジェクトではパタゴニアが培ってきた支援の仕組みを活用することで、沿岸域の再生に取り組む地域の人々を、陸域とのつながりという視点から支援するという。実践から得られる知見や教訓を整理・共有することで、陸域と海域を一体的に捉えるアプローチで持続可能な海洋環境の実現への貢献を目指す。
また、7月23日には協定締結とプロジェクトの始動を記念したシンポジウム「Ridge to Reef: Restoring Our Ocean -流域思考でひらく海洋再生の道-」を紀尾井カンファレンスで開催。シンポジウムでは、プロジェクト・事業の説明や、専門家や実践者を招いた講演、ダイアローグ、パネルディスカッションなどが行われる。参加費は無料で、7月10日まで参加登録を受け付けている。