フィギュアスケート男子の22年北京五輪個人、団体銀メダリスト鍵山優真(22=オリエンタルバイオ/中京大)が、念願の世界一を目指す25−26年ミラノ・コルティナ五輪シーズンの勝負曲が26日、分かった。
ショートプログラム(SP)は、若き天才ピアニスト角野隼斗(29)とポーランドのギタリスト、マーシン(24)がカバーしたスティービー・ワンダーの名曲「I Wish」。国際大会で披露するエキシビション曲は、鍵山の希望で角野が書き下ろしたオリジナル楽曲になったことも判明した。
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五輪金メダル奪還を期す日本のエースが、勝負プログラムを携えてミラノへ向かう。鍵山がSP曲に、大会50年前の名ナンバーを選曲。76年の米歌手スティービー・ワンダーの名盤「キー・オブ・ライフ」に収録された「I Wish(回想)」だ。来冬五輪の半世紀前に大ヒットした曲を、角野とマーシンがカバーしてよみがえらせたものだ。
前回22年の北京五輪は初出場で銀メダル。日本フィギュア史上最年少で表彰台に立った。世界選手権でも3度の2位を誇るが、最後の壁を破るための楽曲を、先陣を切るSPに持ってきた。角野のピアノとマーシンのギターによる情熱的でスリリングな楽曲に合わせて、カナダの世界的振付師ローリー・ニコルさんと磨き上げる表現で頂に挑む。
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最高の輝きを手に舞うつもりのエキシビションは、鍵山のためだけに制作された世界に1つだけの曲になった。鍵山の希望を受けて角野が書き下ろし。クラシック界における最も権威ある音楽賞の1つ「オーパス・クラシック」で史上初の2部門受賞など、五輪が開催される欧州で高く評価されるピアニストが、鍵山が練習するスケートリンクに足を運び、インスピレーションを得て作曲した。振り付けは、カロリーナ・コストナーさんが手掛けることも決定。開催国イタリア出身で、鍵山のコーチを務める元世界女王とのコラボで珠玉のプログラムとなる。
鍵山は、念願かなったコラボレーションの実現に「このたび、角野隼斗さんとエキシビションでコラボレーションナンバーを制作させていただくことになり、どのような素晴らしい作品が生まれるのか、今からとてもワクワクしています。イチからオリジナルで楽曲を作っていただくのは初めての経験で、自分だけの、唯一無二のプログラムを作り上げていけることを楽しみにしております。同時に、自分が表現したい世界観をしっかりとお届けできるよう、精いっぱい努めて参ります」とコメントした。
世界から注目される角野も、初の試みに「初めての打ち合わせで、カロリーナさんが『鍵山選手の強みは3つの“速さ”を兼ね備えていることだ』とおっしゃっていたのが、とても印象的でした。持続する高速スピード、鋭い加速力、そして足元の素早い動き。初めて彼の練習を生で拝見した瞬間、その言葉の意味を深く実感すると同時に、不思議と音楽のイメージが自然と湧き上がってきました。このたび、鍵山選手のために曲を書かせていただき、大変光栄に思っています。この音楽の上で、彼がどのようなスケートを見せてくれるのか、僕自身も今からとても楽しみにしています」と熱くメッセージ。お披露目を心待ちにしている。
◆鍵山優真(かぎやま・ゆうま)2003年(平15)5月5日生まれ、横浜市出身。星槎国際高横浜を経て22年から中京大。5歳で競技を始め、19年全日本ジュニア優勝。20年ユース五輪金メダル。22年北京五輪で個人&団体銀メダル。24年4大陸優勝。同全日本優勝。世界選手権は銀メダル3個(21、22、24年)銅メダル1個(25年)。GPシリーズは20年以降で通算6勝。父正和コーチは全日本3連覇の実績を誇り、92年アルベールビルから五輪2大会出場。趣味は写真撮影。160センチ。血液型O。
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