
ジャパンブルーの公式サイトより
「ニューヨーカー(NEWYORKER)」などを展開するダイドーリミテッドが、「モモタロウ ジーンズ(MOMOTARO JEANS)」などの運営会社ジャパンブルーを8月29日付で買収すると発表した。発行済株および新株予約権の80%を56億円(取得関連費用を除く)で取得する。
ジャパンブルーは、デニムを地場産業とする岡山県倉敷市児島地区を拠点とし、テキスタイルブランド事業ではモモタロウ ジーンズのほか「ジャパンブルージーンズ(JAPAN BLUE JEANS)」といったデニム製品の企画から製造、販売までを手掛けている。中でもモモタロウ ジーンズは高品質な国産ジーンズブランドとして高く評価され、近年の訪日観光客の増加を追い風に売上高を拡大。同事業は自社ブランドの運営に加えて国内外のアパレルブランド各社にデニム生地を提供していることから、安定的な収益基盤を構築している。
ダイドーリミテッドは今中期経営計画でM&Aを通じて中長期的な企業価値向上を検討してきた。ジャパンブルーの取得により、140年以上の歴史を有する繊維専門企業であるダイドーリミテッドグループが日本国外に有するテキスタイル販売網の活用やアパレルブランドとのコラボレーション企画などにより、シナジー効果が創出されることを見込んでいるという。
株式の取得先は、独立系のPEファンド 刈田・アンド・カンパニーのグループ会社が管理・運営するK&C1号投資事業有限責任組合。刈田・アンド・カンパニーは2022年にジャパンブルーの経営に参画し、同社のデニムのリブランディングや生産体制の強化、組織的経営体制の推進、経営管理機能の強化などに取り組んできた。ジャパンブルーの2024年8月期の業績は、売上高54億4300万円(前期比10.1%増)、営業利益4億5200万円(同7.0%減)、純利益2億7600万円(同9.5%増)だった。なお、ダイドーリミテッドは、新株予約権については発行済株式の取得と同時に、ジャパンブルーの役職員から取得する予定だという。