
はしかや破傷風、百日ぜきなどの感染症は、途上国では日常の脅威として日々多くの子どもたちの命を奪っている。その数は1日4000人。20秒に1人の子どもたちがワクチンの接種で防げるはずの病気で亡くなっていることになる。日本でできる支援の一つが、ペットボトルのキャップ回収活動による支援。NPO法人「世界の子どもにワクチンを 日本委員会」(JCV・東京)では昨年、1人分20円のポリオワクチンに換算して約150万人分もの支援が集まった。今年も1投稿につき1人分の子どもワクチン支援につながる「#キャップアクションキャンペーン」(6月30日まで)を Instagram・X・Threads で実施中で、すでに1万件を超える投稿が集まり、盛り上がりを見せている。
キャップ回収リサイクル活動によるワクチン支援の活動は、2005年にスタート。キャップを集めて、JCVが提携する回収・リサイクル事業者やスーパーマーケットなどに引き渡すだけで、子どもたちのワクチン支援と環境保護というダブルの社会貢献につながる。その分かりやすさ、誰でも参加できる気軽さが、SDGs活動に関心を寄せる多くの人々の共感を呼んでいる。
ペットボトルキャップはほぼ単一素材のため、しっかりと分別・回収を行うことで、質の良いプラスチックリサイクル素材を生成できるポテンシャルを秘めており、買い物カゴや洗剤のボトルなど、身近な製品へのリサイクルが進んでいるという。
ペットボトルキャップをリサイクルしたプラスチック原料から製造され、販売数に応じてワクチン支援にもつながるキャップ回収BOX「SEVEN GOALS」を店舗や職場に設置する企業も増えており、多くの人の活動参加を後押しするツールになっている。
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感染症のワクチンの多くは1人分20円、高いものでも約280円と安価。UNICEFや各国の保健省と協力し、JVCは1994年の創設以来、1億3377万3465人の子どもたちにワクチンを届けている。