「北朝鮮とか中国より見劣りする」「なんでこんなのをやったの?」トランプ大統領の軍事パレードはアメリカZ世代にどう映った?

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2025年06月28日 21:00  TOKYO FM +

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「北朝鮮とか中国より見劣りする」「なんでこんなのをやったの?」トランプ大統領の軍事パレードはアメリカZ世代にどう映った?
ジャーナリストでZ世代専門家のシェリーめぐみがパーソナリティを務めるinterfmのラジオ番組「NY Future Lab」(毎週水曜日18:40〜18:55)。ジャーナリストでZ世代専門家のシェリーめぐみが、ニューヨークZ世代の若者たちと一緒に、日本も含め激動する世界をみんなで見つめ、話し合います。社会、文化、政治、トレンド、そしてダイバーシティからキャンセルカルチャーまで、気になるトピック満載でお届けします。

今回のテーマは「移民はただサバイバルしているだけなのに…NYのZ世代が500万人動員の反トランプデモに本音を激白」。トランプ政権がおこなった大規模な軍事パレードや、政権への抗議デモについて、ラボのメンバーが話し合いました。


※写真はイメージです



◆トランプ大統領の軍事パレード、Z世代にはどう映った?

6月14日(現地時間)、首都ワシントンでは、アメリカ陸軍の創設250周年を祝う軍事パレードがおこなわれました。同時に、ニューヨークを含む全米50州のおよそ2000か所で、「No Kings Day(アメリカに王はいらない)」と銘打った抗議デモが開催され、ニューヨークでは5万人、全米でトータル500万人がこのデモに参加したと推定されています。

今回からは、ラボに新メンバーのテオとアニーが加入。2人はデモがおこなわれたコースに職場があるため、当日にどんな光景を見たか話してくれました。

テオ:ランチ休憩で外に出たら、通りがもう人でいっぱいになっていた。みんなが持っているプラカードは、移民の強制送還に関するものもあったけれど、多かったのは「No Kings(アメリカに王はいらない)」と書かれたものだった。

アニー:「No Kings」って銘打ったのには理由があるんだよね。あの軍事パレードは、トランプがどうしてもやりたかったみたいで、当日は彼の誕生日とも重なっていたんだ。だから誕生日を祝うための大規模なイベントでもあって、とにかく在任中にこういう派手なことをやって、「自分はやったんだぞ」って自慢したかったんじゃないかって。多くの人がそう思っている。

そしてみんなが怒っているのは、こんなパレードは民主主義国家でやるようなことだとは思えないからだよね。まるで「王様」みたいに振る舞っている。「この巨大な軍隊は俺の支配下にあって、庶民に対しては何をしてもかまわないという力と支配権が俺にはあるんだ」と言っているように感じるんだ。

テオ:彼が民主主義の基本から離れようとしている恐れもすごくあるよね。

メアリー:軍事パレードの報道を見て笑っちゃった。だって見物人がすごく少なくなかった? それってけっこう驚きじゃない。だって、アメリカって軍隊が大好きでしょう。「退役軍人に敬礼を」とか、そういう雰囲気が常にあるじゃない。だから、人が集まらなかったというのはちょっと不思議に感じたよ。

それに、兵士たちが行進している様子が、たとえば北朝鮮とか中国、ロシアとかの軍事パレードと比べると、すごく見劣りするんだよね。動きが全然揃っていないし、なんでこんなのをやったんだろうって。逆に「アメリカって全然すごくないよね」って見せつけているのかと思った。

「No Kings Day」と銘打ったデモは、まるで王のようにふるまうトランプ大統領に対して抗議する意味合いでおこなわれました。なかでも最大の案件は、激しさを増す移民の強制送還です。

もともとトランプ政権は、不法移民のなかでも重罪人、凶悪犯を強制送還するという公約をしていました。ところが今では、難民申請をした移民が手続きのために裁判所を訪れたところを拘束したり、移民が働いている食品加工場や農場を狙ったりしています。

こうした移民は全米に1200万人いると見られていますが、一口に不法移民と言っても、多くは難民申請し、就労許可をもらって働いて税金を払っています。しかし政権はこうした許可があっても、不法移民として強制送還しています。


(左から)ミクア、シェリー、ヒカル、ノエ、シャンシャン、メアリー/©NY-Future-Lab



◆激しさを増す移民排除に感じること

こうした動きに抗議するロサンゼルス市民のデモに対し、トランプ大統領はついに州兵や海兵隊を動員しました。このセンセーショナルな報道に、ラボのメンバーはどのように感じていたのでしょうか。

ミクア:軍事力を普通の人に対して使うなんて本当におかしいと思う。彼らは何も悪いことをしていない、ただこの国に来てサバイバルしようとしているだけ。アメリカには本当にたくさんの不法移民がいるから、そういう人に出会うのも珍しくない。市民権を得るのって時間がかかるし、とても難しいからね。

私の知っている人でも、彼らの親が最初に書類のない不法の状態でこの国に来ていなかったら、彼ら自身もアメリカで生まれていなかったかもしれない。多くの家族は、最初は書類がなくて、そこから誰かが少しずつ市民権を得て、最終的にはアメリカ人になる。そうやって世代が続いているのがアメリカなんだ。

そもそも多くの人は、自分の母国を離れたくなんかない。ただ、母国の状況があまりにも悪くて、仕方なく出てこなきゃいけないから、この国に来てなんとか生きていこうとしているだけ。ここでチャンスを掴んで、少しでも良い生活を目指しているだけなのに、それを力で排除しようとするなんて本当にひどい話だよ。

アニー:移民の親を持つ私としては、時々すごく不安になるよ。彼らが家に押し入ってきて、ただ普通に生活している人たちを逮捕していくというのが本当に怖い。たとえ正当な理由があるかどうかに関係なく、そういう人たちが母国に強制送還されている。

ミクア:拘束されるのを恐れて、人々は病院に行かなくなり、子どもたちは学校に行かなくなっている。「自分の家族が連れて行かれるのではないか、自分が強制送還されるのではないか」という恐怖があるからね。こんなふうに暮らすなんて、まともじゃない。本当に、ひどい話だと思う。

アメリカの人口3億3000万人のうちの1200万人、人口の3%以上の人が不法と呼ばれる移民です。彼らはアメリカ人がやりたがらない低賃金の仕事をすることで、家計をつなぎ、同時に産業を支えてきました。アメリカ社会は、不法移民の労働力を都合よく利用してきた歴史があるとも言えます。

また不法移民の犯罪が問題視されることが多いものの、実際のデータを見ると異なります。当局との問題を起こすのを避けたがる不法移民は、犯罪率も一般市民に比べ半分程度と低いことがわかっています。

シェリーは「トランプ政権の突然の政策変更が、移民だけでなくアメリカ社会を不安定にしている。そう感じる市民が抗議行動をしているわけですが、この運動によって何かを変えることは果たしてできるのでしょうか」とコメントし、話題を締めくくりました。

<番組概要>
番組名:NY Future Lab
放送日時:毎週水曜日18:40〜18:55放送
出演:シェリーめぐみ
番組Webサイト: https://www.interfm.co.jp/nyfutureweb
特設サイト:https://ny-future-lab.com/
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このニュースに関するつぶやき

  • パヨったNY取り上げるのは印象操作する気満々。この軍事パレード決めたのはバイデン爺さんって報道しない自由行使中。
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