風呂上がりの一杯。ひとり気ままに飲むのも良いが、ふらっと現れた親友と酒を酌み交わすのも悪くない。Xに4月下旬に第1話が公開された『親友は中東CAさん』は、2人のアラサー女性の何気ない日常を切り取った漫画ではあるが、読んでいると2人の会話に混ぜてもらったようなワクワク感が芽生える。
作者の光ン瀬はにわんさん(@minse_yuun)は、別名義で某大手出版社で漫画制作を行っており、気分転換として光ン瀬はにわん名義で時たま制作をしているという。読んでくれた人の気分転換にもなりそうな本作を制作した経緯などを聞いた。(望月悠木)
■仲間と一緒に作った作品
――『親友は中東CAさん』はどのように制作したのですか?
|
|
光ン瀬:「今仕事で描かせてもらってる漫画がとても暗い物語なんだ」と親友に話したところ、「光ン瀬には明るい漫画を描いてほしい!」と言われ、一緒に作品作りをすることになりました。さらには、普段から仲良くしてくれている漫画家仲間たちも作品作りに関わってくれて、とても楽しく制作できています。
――2人の女性の何気ない日常を切り取った内容でしたね。
光ン瀬:はい。私と親友の経験をベースにしています。私が「お仕事漫画」を描くのが好きなのと、親友も「あんなことあったね〜」と楽しめ、読者さんにもSNSで「息抜きのお裾分けをしたい」と思ったら、こういうテイストになりました。
――受付事務とCAという組み合わせも親友の影響からきているのですか?
光ン瀬:私の就業経験の中で、唯一制服があった仕事が不動産屋の受付事務でした。また、一緒に作品作りをしている親友は実際に中東CAとして10年間働いていたので、この組み合わせになりました。「制服があるほうが画面上の対比になっていいかな」と思っていたので。
|
|
――“百合漫画”っぽく見えそうですが、あくまで女性2人の友情物語でしたね。
光ン瀬:特に「百合にならないように」と意識してはいないのですが、実際の友人関係の延長で描いているので、無意識で百合にならない雰囲気を出せているのかもしれません。“変わらない穏やかな友人関係”を見てほしいので、それが出せていたら嬉しいです。
■続編の予定は?
――本作の肝でもある2人の何気ないやり取りですが、どのようにして描いているのですか?
光ン瀬:とにかく飽きないようにセリフ量・コマ割りは意識しています。吹き出しもですが、全体的にまだまだ下手なので、上手くなるように毎回課題感を持って制作しています。
|
|
――1話目は服装、2話目はネイルがメインの物語でしたが、各話のテーマの決め方は?
光ン瀬:親友との会話でパンチがある内容や、楽しかった内容を読者さんにお裾分けするイメージで考えています。実際、漫画家仲間たちも楽しく見てくれているようなので、手応えを感じながら物語作りを進められています。
――今後も定期的にエピソードを投稿していく予定ですか?
光ン瀬:実は今、本業の漫画制作が佳境に入っており、秋ごろまではペースが落ちるかもしれません。ただ、漫画自体は6話あたりまで内容は決まっているので、ゆっくりペースで更新していきます。見かけたら反応してもらえると嬉しいです。そのうちKindleにまとめたり、コミティアで出展したりしたいです。
――また、本作以外での漫画制作の予定を教えてください。
光ン瀬:光ン瀬はにわんの名義では「明るく楽しい気持ちになる漫画」を描いています。しばらくは『親友は中東CAさん』を楽しんでもらいたいと思っているのですが、ある程度私と親友が満足したら、また別の「明るく楽しい」をお届けできたらと思います。また、本業(別名義)の漫画がしっかり売れて、こちらは「みんなの息抜き(私含む)」的なポジションにしていきたいです。もし商業で拾っていただけるなら、より広くお届けできるので、それはそれで嬉しいです。(笑)
(文・取材=望月悠木)
|
|
|
|
Copyright(C) 2025 realsound.jp 記事・写真の無断転載を禁じます。
掲載情報の著作権は提供元企業に帰属します。