H2A・50号機の打ち上げを見詰める人たち=29日未明、鹿児島県南種子町 鹿児島県・種子島宇宙センターから約7キロ離れた長谷展望公園(南種子町)では29日未明、H2Aロケット最後の勇姿を見ようと約1300人が詰め掛けた。町によると、来場者数の記録が残る2017年以降で最多となった。カウントダウンの後、ごう音を残して夜空に機体が打ち上げられると一帯は拍手に包まれ、「いってらっしゃい」「ありがとう」などと声が上がった。
最前列で撮影していた佐賀県内のプラネタリウムで解説をしている木村朱里さん(33)は、初めて種子島で見たロケット打ち上げがH2Aだったといい、「あの時の感動は今も覚えている」と振り返った。今回の映像は職場で上映するつもりで「H2Aの功績を伝えたい」と話した。
H2Aの打ち上げは全て見てきたという屋久島町の学童保育所代表の堀潤一さん(59)は、打ち上げの様子を子どもたちにも生で見てほしいと、種子島に連れて来た。「見慣れた機体がこれから見られなくなるのは寂しい。お疲れさまと伝えたい」と別れを惜しんだ。