小谷実可子、世界マスターズに出場するメンバーを紹介(3)「みんなと練習しているおかげでレベルアップできています!」【連載8回目】

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2025年06月30日 07:00  ORICON NEWS

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(左から)渡辺千晶、小谷実可子、藤丸真世
 2025年7月にシンガポールで開催される世界マスターズ水泳選手権に出場することを発表したアーティスティックスイミング(AS)の小谷実可子(58)。7月30日の初戦まで残り30日。

【写真】抜群のプロポーション!水着姿の小谷実可子

 挑戦の軌跡を記す連載『生涯現役!58歳 アーティスティックスイミング小谷実可子の挑戦』の8回目となる今回は「メンバー紹介・第三弾」。小谷と共にチーム種目に出場する藤丸真世(ふじまる・みちよ/46)、渡辺千晶(わたなべ・ちあき/48)と3人でトーク。『大会出場の経緯』、『チーム結成から現在までの振り返り』、『本番まで1カ月!現在の心境』などついて赤裸々に語ってもらった。

――チーム種目で共に演技を行う藤丸さん、渡辺さんについて教えてください。

小谷:藤丸真世さんは、2004年アテネオリンピック シンクロナイズドスイミング(現:アーティスティックスイミング)のチームで銀メダルを獲得した選手です。そして、2023年に行われた鹿児島でのマスターズ大会の時にデュエットを組んで出場しました。マスターズ競技における最初のパートナーです。

そして2025年のシンガポール大会では彼女の「チーム種目をやってみたい!」という一声から、同種目については全てが動き出したという感じです。(チーム種目の)リーダーというと本人はちょっと重いのかもしれませんが、リーダーのような存在でもあり、中心的な存在です。

渡辺千晶さんは、2003年世界水泳選手権のシンクロナイズドスイミングチームで銀メダルを獲得しました。そして2023年の鹿児島大会のときに、チーム種目で一緒に泳ぎました。私は関東出身ですが、渡辺さんは関西出身で、現役時代のときも全くかぶっていませんでしたし、すごく遠い存在でした。

ただ近年になって交流をする機会が増え、ASのお友達が増えたような気持ちです。チームの中では、癒しキャラだと思っています。関西弁口調の話し方だったり、ゆっくりと時間が流れているタイプなので、事あるごとに癒されています。そんな感じですが、平日の練習にも皆勤賞で、一人でも黙々と練習するなど一番熱心です。

――2人(藤丸、渡辺)はどのようなきっかけでシンガポール大会に出場することになったのでしょうか?

藤丸:鹿児島大会を終えた後に(小谷)実可子さんには「私自身は本当にやり切ったので試合にでることはお休みしたい」と伝えました。次の年のドーハ大会に、実可子さんはミックスデュエットで安部篤史くんと組み、とても素晴らしい演技をしていたので、今後もお二人のデュエットを応援したいと思っていました。

ですが、ドーハ大会を終えた実可子さんが「次(シンガポール大会)はどうする?」と、お声がけしていただき、一週間ほど悩む時間をいただきました。その中で、覚悟を決めて前へ進まないといけないと思ったので、今まで組んだことのない「(安部)篤史くんや(渡辺)千晶さん」を入れて演技をしてみたらどうだろうと考えました。

2人を入れても年齢区分が下がらないので「皆でチームとして出場できるかもしれない!」とメンバー案と年齢を書いて実可子さんにメールで送りました。

小谷:藤丸さんも一度お休みしている中で、シンガポール大会には何かしらで出場したいような雰囲気だったですが、職場も変わりどうなるか分からなかったんです。興味はあるけど、踏ん切りがつかない状態でした。でも「これなら(チーム)いけます」というメールを見て、やる気と意欲を感じて、挑戦してみようということになりました。

渡辺:私は鹿児島大会の時にご縁があって、再び泳ぐようになりました。その時にマスターズの世界をはじめて知って、“第2の青春”みたいな感じでとても楽しかったんです。とはいえ、ソロとかではなくチームで参加をしたいなと思っていました。

そうしたら、昨年の4月に藤丸さんから「折り入って話したいことがあります」と言われ、何を言われるんだろうとドキドキしていったら、「シンガポール大会でチーム種目をやりませんか?」とお誘いいただき、即決で出場を決めました。とてもうれしかったですね。

――チームが結成されて約9ヶ月が経過しました。ここまでの練習の振り返ってみていかがですか?

小谷:3月に行われた東京アクアティクスセンター杯(TAC杯)の時は、本番の衣装も着て、審判や一般のお客様にも演技を見てもらった中で、1つ形にできたことは自信になりました。

ただチームで世代が違う中、競技という観点としてみると「楽しいだけではいけない」という部分も出てきて、若いメンバーがいる中で、自分が足を引っ張らないように、しっかりと練習をしないといけないと感じています。私はチームに加えてソロとミックスデュエットがある中で、少し不安がある日々を過ごしていますが、チームメンバーと練習をしているおかげで、レベルアップできていると感じています。

藤丸:日々忙しく過ごす中でも練習の後には、演技の動画を見て復習し、次に向けて予習をしています。

演技を作る段階で苦しい時期もありました。「メンバーが全員集まれない?」「どんなことができるのか?」「チームポジションは?」「この音に合う足技は?」「手の動きは?」など、チームなのでどういう動きがベストなのか、行き詰っていたこともあったんです。でも「みんなヘルプ〜!」と声掛けしたら、サポートしてくれました。

3月に出場したTAC杯では、急いで仕上げた演技だったのですが、思っていたよりもまとまりのある良い演技が披露できました。自信にもつながりましたし、更にレベルアップさせていきたいと思いました。

渡辺:メンバーの中には、箱山愛香さん(2016年リオ五輪・銅メダリスト)、木村叶さん(2015年スペインオープン・銅メダリスト)と若い方たちもいて、そこで自分が一緒の速度でできないので、必ず練習に参加にして追いつこうとしています。

転機となったのは2024年の年末に行われた決起会。そこでチームメンバーと集まった時に「自分も今以上にしっかりやらないといけない」というスイッチが入りました。そこから練習にも積極的になりましたし、楽しくもなってきました。3月のTAC杯でチーム種目の演技をしたのですが、本番までもうすぐだと思ってしまい、少し焦っています。今まではコツコツやっていたら追いつくと考えていたのですが、もっともっと練習しないといけないなと感じている日々です。

――7月の大会本番が近づいてきました。現在はどのような気持ちですか?

小谷:チームはTAC杯で演技を終えて、次にチームで本番の衣装を着て泳ぐのがシンガポールなんですよね。だから少し怖いなとは思っているんですが、練習を積み重ねて本番を迎えたいです。

藤丸:TAC杯での演技を一度見直しながら、これで本番まで行っていいのかなどを検証しつつ、練習に落とし込んでいきたいです。そして良い状態で本番に行けたらいいなと思っています。

渡辺:焦る気持ちが出始めてきていますが、家族もシンガポール大会に来てくれることになりましたし、ここまでやってきたからには自分のクオリティーをさらに上げてTAC杯以上の一体感を本番で出せるように、練習をしていきます。

■小谷実可子(こたに・みかこ)
1966年8月30日生まれ、東京都出身。ソウルオリンピックでは夏季オリンピック初の女性旗手を務め、ソロ・デュエットで銅メダルを獲得。1992年に現役引退。東京2020招致アンバサダーを務めるなど国際的に活動。東京2020オリンピック・パラリンピックでは、スポーツディレクターに就任するなど幅広く活躍。日本オリンピック委員会 常務理事(JOC)、世界オリンピアンズ協会 副会長(WOA)、日本オリンピアンズ協会 会長(OAJ)など、15の役職をこなしながら、2025年7月に開催される世界マスターズ水泳選手権(シンガポール大会)で、4つの金メダル獲得を目指している。

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