規制強化、効果はいかに=静岡・山梨とも4000円―夏シーズン開幕へ・富士山

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2025年06月30日 07:31  時事通信社

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時事通信社

富士山の富士宮口5合目で入山受付などをする小屋=24日、静岡県富士宮市(同県提供)
 富士山が7月上旬に山開きし、夏山シーズンが始まる。今年は静岡、山梨両県ともに5合目以上の登山者から1人4000円の入山料(通行料)を徴収。午後2時から翌日午前3時まで5合目以上の入山を禁止するなど規制を強化し、登山道の混雑回避や夜通しで山頂を目指す「弾丸登山」の根絶を目指す。山小屋関係者からは「登山客の渋滞解消やごみの減少につながれば」と期待する声が上がる。

 山開きは山梨県側の吉田口が7月1日、静岡県側の富士宮口、御殿場口、須走口の3ルートは同10日。両県とも、専用アプリやオフィシャルサイト、現地で入山料を納めた登山者に入山証を発行し、係員が確認する。任意の保全協力金(1000円)は廃止した。

 今年から規制を導入した静岡県は、富士山の環境保全や安全な登山に関するルールやマナーを入山前に学ぶeラーニングも義務化し、規制の周知に力を入れる。国や静岡、山梨両県でつくる協議会が多言語で動画を配信し、県内外の観光案内所や登山用品店などにもポスターを配布した。

 富士宮口の山小屋などでつくる「富士山表富士宮口登山組合」の池田裕之組合長(52)は、「やってみないと効果は分からないが、弾丸登山は何十年も問題になっていた。規制導入は評価している」と話す。静岡県富士山世界遺産課の担当者は「富士山の美しさ、神聖さを体験できるよう、安全な登山環境をつくっていきたい」と話している。

 一方、登山者全体の約6割が吉田口を利用する山梨県は、通行料を昨年の倍額に引き上げるとともに、仮設だった5合目のゲートを常設に建て替え。1日当たりの入山者は4000人(山小屋宿泊者は除く)に据え置くが、駆け込み登山を防ぐため、午後4時だった閉鎖開始を2時間前倒しする。さらに、登山道周辺でパトロールなどを行う「富士山レンジャー」を任期付きの県職員として採用し、軽装登山者の入山を断る権限を付与した。

 長崎幸太郎知事は「ルールを守らない方のゲート通過は断固お断り」と強調。県の担当者は「安全対策を含め、静岡県側と連携は密に取れている」と語った。 

富士山の吉田口5合目に設けられた常設ゲート=13日、山梨県富士吉田市
富士山の吉田口5合目に設けられた常設ゲート=13日、山梨県富士吉田市

このニュースに関するつぶやき

  • たった27ドルくらいじゃねぇか。もっと徴収してもいいとおもいますのん^〜^
    • イイネ!11
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