写真夏休み直前、旅の計画を立てたくなる時期です。
今年の夏は、思いきってひとり旅に出かけるのもいいかもしれません。
『おいしいベトナムひとり旅』は、著者であるまえだなをこさんが、実際にひとりでベトナムを縦断する様子をリアルに描いたコミックエッセイ。
ここではひとり旅25年のまえださんに、ひとり旅の魅力と、荷造りや現地での行動のコツなどを伺いました。
◆ズバリ!一人旅の醍醐味とは
――本著『おいしいベトナムひとり旅』ではベトナムに、前作『おいしい台湾ひとり旅』では台湾に、それぞれひとりで旅行されています。過去にも何度もひとり旅をされているそうですが、ひとり旅ならではの醍醐味は何だと感じますか?
まえだ:私の場合なのですが、行き当たりばったりで、その時の気分で動きたいというのがまずあります。自分の野生に還るというか。それがひとりだとやりやすいです。
ふたり以上だと、旅先そのものよりも、相手に意識が集中しがち。感動やおいしいものを人と分かち合う喜びも楽しいのですが(食事は人数が多いほうが楽しめるのは確かです)、ひとりだとそれがない分、現地の方々と関わる機会が多くなりますし、目線もあちこちを見ているので、発見も多いです。友だちと遊ぶのは日本のほうがコスパいいんじゃないかなと。「わたしの旅はわたしのもの」という気持ちです。
それに、旅って失敗がつきものですよね。例えばホテル選びに関しても、私が選んだホテルが微妙だったら、同行者に対して気まずいし申し訳なくなりますが、ひとりだったら「まぁいっかー」と思えます。
――事前にホテルを予約せず、旅しながら決めている様子が描かれており、新鮮でした。宿選びのポイントがあれば教えてください。
まえだ:行き当たりばったりだと、すごく良い場合もあるし、逆にすごく微妙な宿にもあたります。私が旅に求めるものは、自分の予想を超えてくるもとの出会いです。だから、微妙な宿だったとしてもアリというか。
今回のベトナム旅行でも、最初は現地で宿をめぐって決めていましたが、途中からは予約アプリも使っていました。やはり便利なので(笑)。ただ、その街をどのくらい気に入ってどのくらい滞在したいかというのは、行ってみないとわからない。なので違う街へ電車やバスで移動しながら、アプリでよさそうな宿をとるというのが、自分なりの妥協点でした。
宿選びに関しては、私は眺めが重要な一方、古くても気にしません。トイレに頻繁に行くタイプなので、街歩きの中心地に宿をとることが多いです。そうすると、ちょいちょいトイレタイムで宿に帰れるので。
窓がなくてもOKだけど建物が新しいほうがいいなど、人によってこだわりがあると思います。宿選びのポイントは、自分のこだわりポイント、気にしないポイントを見つけること。ただ共通して、安全なエリアに泊まることは共通しています。安全第一です。
◆女性が一人旅で気をつけるべきポイントとは
――女性ひとり旅というと安全面が気になる人も多いと思います。安全に旅するためのコツなどあれば教えてください。
まえだ:意外かもしれませんが、私はかなり慎重派です。ガイドブックや外務省の危険情報を読み込むといいです。そうすると犯罪パターンがわかるので、少なくともそれには引っかからない可能性が上がります。気をつけすぎるくらい気をつけても損をすることはありません。
――本著では、荷造りや服装のポイントも紹介されています。ベトナム旅行に持っていくといいものは何ですか? また、できる限り荷物を軽くするコツはありますか?
まえだ:ダナンからニャチャンへの移動で寝台列車を利用したのですが、耳栓とアイマスクは役に立ちました。大人数が泊まるドミトリーなどでも便利です。加えて寝台列車はシーツ交換がなかったので、寝袋用の軽量インナーシーツがあればよかったと思いました。
今回リュックひとつで行き、重量は3.7kgでした。服を最小限にして現地で洗うとか、シャンプーを洗剤として使うとか、セコい技の積み重ねで軽量化しています。でも、まだまだです。いつか、クレカとパスポートと歯ブラシだけポケットに入れて手ぶらで出かけたいです。
――次に行きたい旅先はどこですか? また旅先を決めるときのポイントを教えてください。
まえだ:台湾に行きたいです。2月頃、台中で一か月くらい、現地のめずらしい野菜を調理したりしながら暮らすように滞在してみたい。
フランスで美術館三昧もしたいです。パリの屋根裏部屋に住み、ルーブル美術館の年間パスを作って入りびたりたいです。その合間に、南仏に小旅行に出かけたり……。
ウズベキスタンのタシケントのバザールで、かわいい模様のついたパンを爆買いしたいという夢もあります。
言い始めるとキリがないですが、実際は予算と、いくつかの要素が重なった時に行くことが多いです。激安の航空券が見つかったり、ベストシーズンだったり、お祭りの時期に重なったり、これ食べてみたいなと思う食べ物があったり、現実逃避したかったり。そのうちのどれかが重なって気分が乗れば、また思い立ってすぐに行ってしまうかもしれません。
<取材・文/女子SPA!編集部>
【女子SPA!編集部】
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