子どもの頃、誰もが一度は経験したであろう「お店屋さんごっこ」。おもちゃを商品に見立てて遊んだ人も多いと思いますが、本物の生地を使って食べられるパンを作り、実際にお金を出して買う本格的な「パン屋さんごっこ」を楽しむ親子がSNSで話題になりました。
なんとも子ども心をくすぐられる「ごっこ」を実現したのは、8歳と4歳の娘さんを持つ調理師、くたまるさんのファミリー。
Xに投稿された写真に写っていたのは、カメの姿をしたメロンパンなど、キュートな形をしたフカフカのパンに、子どもの字で「ぜんぶ100円です」と書かれたかわいいPOPが添えられている様子。街角のパン屋さんと言われたら信じてしまうほどの本格さです。
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きっかけになったのは、8歳の娘さん。お店屋さんごっこをはじめ、アイドルごっこやおままごと、プリキュアごっこなど、「何かになりきる遊び」が大好きなのだそうです。
そんな娘さんに、くたまるさんが「今日は思う存分お店屋さんごっこしよう!」と提案し、家族みんなで本格的な「パン屋さん」をお家で“開店”することに。
本物のパンを生地から手作りし、さらにトレーやミニトング、持ち帰り用の袋に値札、さらにポイントカードやスタンプを含めた道具一式を3時間かけて用意したということです。
なんとも美味しそうなパンは、8歳の娘さんがイメージを考え、くたまるさんが一緒になって形にする共同作業で仕上げたもの。パンの中にはあんこやドライフルーツを入れ、生地を工夫するなど、パンとしても非常に本格的に仕上がったといいます。
愛らしいカメの形をした「カメロンパン」は、娘さんこだわりの一品。頭や手足を付けたキュートな姿はもちろん、クッキー生地もしっかりと手作りし、とても美味しく仕上がったそうです。
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そして注目なのが、パンに添えられた「ぜんぶ100円」という値札。子どもらしくかわいいお値段、と目尻が下がりますが、そこには娘さんの思いやりが詰まっているのだそうです。
「材料費として1000円をお小遣いからだしてもらったのですが、『20個のパンだから、50円だと何も儲からないけれど、200円だとパパたちは全部買えない』という話をしたところ、100円ということになりました」(くたまるさん)
きちんと家族全員がパンを買え、お店としても儲けが出るラインを考えて付けられた値段だったというから驚きです。お客さんの満足と収益を両立させる方法を学ぶこともでき、商売に関する教育の機会としても秀逸。こんな「ごっこ遊び」、体験してみたかった……。
こうしてお家に開店したパン屋さんは大繁盛。2人の娘さんはおもちゃのレジで会計をしたり、商品を袋詰めしてスタンプカードを押したりと大忙しだったそうです。
その後、家族で交代しながら「お店役」と「お客さん役」の両方を楽しみ、最後はみんなでお昼ごはん。力作のパンを楽しんだということです。
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お店の売り上げは、8歳の娘さんのお小遣いになったといいます。「自分でパンを作ったうえで、お小遣いも増えて『最高!』と言っていました」と、くたまるさん。参加した4歳の娘さんもお店をやってみたくなったそうで、「今度はクッキー屋さんをやる約束をしました」と語っていました。
実際に自分で考えながら試してみて、いろんなことを実感として学ぶ機会につながる「ごっこ遊び」。ここまで本格的に楽しむことができたら、次々と新たな才能が開花しそうです。新たな「開店」がなんとも楽しみな、くたまるさんファミリーでした。
<記事化協力>
くたまるさん(@chapikof)
(天谷窓大)
Publisher By おたくま経済新聞 | Edited By 天谷窓大 | 記事元URL https://otakuma.net/archives/2025063002.html
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