国や自動車メーカーを提訴後、記者会見する原告団長の石川牧子さん=1日午前、東京都千代田区 自動車の排ガスによる大気汚染でぜんそくを発症したとして、患者115人が1日、国と自動車メーカー7社に計1億1500万円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こした。一部の患者は首都高速道路も相手取っている。
訴状などによると、原告は東京、埼玉、千葉、神奈川、愛知の5都県のぜんそく患者らで、1975年以降の排ガス汚染で発症したと主張。訴訟を通じて公害発生の責任を明らかにし、全国一律の医療費助成制度を創設することを求めている。
患者側は2022年6月、国と、トヨタ自動車や日産自動車など自動車7社に1人当たり100万円の損害賠償を求める「責任裁定」を総務省の公害等調整委員会に申請した。同委員会は先月2日、健康被害との因果関係を認めず、請求を棄却した。
提訴後に記者会見した原告団長の石川牧子さん(69)=東京都=は「70年代後半から患者は本当に苦しい思いをしてきた。諦めたら公害はなかったことにされてしまう」と話した。

東京地裁=東京都千代田区(AFP時事)