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2025年07月03日 17:01 ITmedia PC USER
2019年から始まった「GIGAスクール構想」。ここで導入された児童/生徒用の学習用端末のリプレースが順次進められている。リプレースのピークは2025〜2026年度となることに加えて、「校務DX(デジタルトランスフォーメーション)」推進の観点から教職員のICT環境の整備も進められている。これらのことから、PCメーカーや周辺機器メーカーは教育関係の展示会へと積極的に出展し、自社の強みをアピールしているのが現状だ。
6月5日〜7日にTFTビル(東京都江東区)で開催された「NEW EDUCATION EXPO 2025」でも、多数のPC/周辺機器メーカーが出展していたので、この記事ではPC関連のブースを紹介したい。
●ASUS JAPAN:教師用端末やGIGA 2.0向け学習用端末を展示
ASUS JAPANのブースでは、高性能な教師用端末から、GIGAスクール構想第2期(GIGA 2.0/Next GIGA)用の端末まで、さまざまなノートPCが展示されていた。
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教師用端末としての利用を想定した「ASUS ExpertBook P5」は、14型液晶とCore Ultra 200Vプロセッサを搭載したCopilot+ PCだ。「ASUS BR1204F」はNext GIGA向け学習用端末としての利用を想定したノートPCで、12.2型液晶とIntel N100/N150プロセッサを備えるコンバーティブルタイプの2in1製品だ。
「ASUS Chromebook CM30 Detachable」は、10.5型液晶とMediaTek Kompanio 520を搭載したデタッチャブルタイプのChromebookだ。「ASUS Chromebook CZ12 Flip」は、12.2型液晶とKompanio 520を搭載したコンバーティブルタイプのChromebookとなる。いずれもNext GIGAにおける学習用端末としての採用をにらんでおり、SoCとしてKompanio 520を採用することで価格を抑えている。
●Dynabook:滑り止めを施した学習用端末を展示
Dynabookのブースでは、Next GIGA向け学習用端末「dynabook K70」「Dynabook Chromebook C70」が展示されていた。
両モデルは「端末が滑りやすく、机から落下してボディーが破損する」という現場の教師の声を元に作られた端末で、他社製品と比べてコンパクトなため、狭い小学校の机に置いても省スペースで済み、誤って落下させにくくなっている。
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天板の外周に、滑りにくく衝撃にも強い熱可塑性ポリウレタン(TPU)を採用しているため、机をある程度傾けても滑り落ちないのも強みだという。
●富士通:軽量が魅力のモバイルノートPCやNext GIGA向け学習用端末を展示
NEW EDUCATION EXPO 2025の出展メーカーのほとんどは、先に開催された「EDIX 東京 2025」にも出展していた。それに対して、富士通は本イベントのみの出展だ。
今回の展示は、最軽量構成で約730gの「LIFEBOOK U9313/R」など、モバイルノートPCを校務向け製品としてアピールしていた。その他、コストパフォーマンスの高い校務向けノートPCや、学習用端末としての導入を想定した11.6型液晶搭載コンバーティブル2in1 PC「LIFEBOOK U3114X/SEG」なども展示されていた。
LIFEBOOK U3114X/SEGは、旧製品に比べて画面ガラスの厚みを25%増やしてタッチパネルのガラス割れを防止したり、外れにくいキートップを採用したりするなど、頑丈さを高めているのが特徴だ。
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●日本HP:多種多様なPCとプリンタ/ビデオバーを展示
日本HPのブースでは、校務向けのノートPC/液晶一体型PCや超小型ワークステーション、同社が得意とするプリンタ製品、そしてPolyブランドのビデオバー/ヘッドセットなど、さまざまな製品が展示されていた。
16型モバイルワークステーション「HP ZBook Power 16inch G11 Mobile Workstation」は、Core Ultraプロセッサ(シリーズ1)を搭載しており、外部GPUとして「NVIDIA RTX 3000 Ada」を搭載する構成も用意している。
14型の「HP ZBook Firefly 14inch G11 Mobile Workstation」も、同じくCore Ultraプロセッサ(シリーズ1)を搭載しており、こちらは外部GPUとして「NVIDIA RTX 500 Ada」を搭載する構成も用意している。独立GPU搭載でも約1.5kgという軽量設計が特徴だ。
「HP Z2 Mini G9 Workstation」は超小型のデスクトップワークステーションで、別売りの「モニターマウントキット」を利用してディスプレイ背面にマウントすることも可能だ。
スタンダードな形状の「HP Z2 SFF G9 Workstation」は、省スペース性に優れたワークステーションで、「NVIDIA RTX A2000」搭載モデルも用意されている。
Polyブランドのビデオバーやヘッドセット、ビジネス向けのA3対応インクジェットプリンタ「HP OfficeJet Pro 9730」など、非PC製品の展示が多いのも印象的だった。
●レノボ・ジャパン:校務用端末やNext GIGA用学習用端末を広く展示
レノボ・ジャパンは、校務用の高性能ノートPCやワークステーション、Next GIGA向け学習用端末を展示していた。
校務用PCとして展示されていた15.3型の「ThinkPad X9 15 Gen 1 Aura Edition」と14型の「ThinkPad X1 Carbon Gen 13 Aura Edition」は、いずれもCore Ultra 200Vプロセッサを搭載したCopilot+ PCだ。ThinkPad X1 Carbon Gen 13 Aura Editionは1kgを切る軽量ボディーが魅力となる。
学習用端末として展示されていた11.6型「Lenovo 300w 2-in-1 Gen 5」「Lenovo 300w Yoga Gen 4」は、いずれもWindowsベースとなる。11.6型の「Lenovo 500e Chromebook Gen 4s」はChromebookだ。
高等専門学校(高専)や大学での研究開発用の端末として、デスクトップワークステーションも展示されていた。「ThinkStation P3 Tiny」は、体積わずか1Lの超小型ワークステーションで、外部GPUとして「NVIDIA RTX A400」の搭載も可能だ。
「ThinkStation P2」はコストパフォーマンス重視のモデルで、さまざまな用途に活用できるという。
●マウスコンピューター:PCだけでなく「教職員向けディスプレイ」も展示
マウスコンピューターのブースでは、校務や高専/大学生向けのノートPC、「教職員用ディスプレイ1人1台」を狙った液晶ディスプレイやNext GIGA向けChromebookが展示されていた。
14型の「DAIV R4」はCore i7-13620HとGeForce RTX 4050 Laptop GPU搭載のクリエイター向けノートPC、16型の「DAIV Z6」はCore i7-13700H/Core i9-13900HとGeForce RTX 4060/4070 Laptop GPUを搭載した高性能クリエイター向けノートPCである。昨今は、写真や動画の編集で学校でもハイスペックなPCのニーズが高まっているということで展示したようだ。
「DAIV FX」はタワー型のクリエイター向けデスクトップPCだ。CPUやグラフィックスカードはさまざま選択可能で、グラフィックスカードはNVIDIAのフラッグシップモデル「GeForce RTX 5090」を搭載することも可能だ。
Next GIGA向けの学習用端末としては「mouse Chromebook U1-DAU01GY-A」とWindowsベースの「MousePro T1-DAU01BK-A」を展示していた。いずれも11.6型だ。
校務用PCや高専/大学生向けPCとして展示されていた14型ノートPC「MousePro G4-I57U01BK-D」は、最軽量構成で約969gと持ち運びやすさが魅力だ。BTO(カスタマイズ)でLTE通信機能も内蔵可能だ。
15.6型ノートPC「MousePro L5-I5U01WT-A」は、最近では珍しくなったDVDスーパーマルチドライブを内蔵しているのがポイントとなる。教育機関では光学メディアを使う機会が少なからずあるようで、そのニーズに応えた格好だ。
マウスコンピューターは、「iiyama」ブランドで液晶ディスプレイの製造も手掛けている。そのこともあり、Next GIGAに併せて公表された「学校のICT環境整備3カ年計画」にある「業務用ディスプレイ1人1台」での導入を狙って、液晶ディスプレイも展示されていた。
●VAIO:法人向けノートPCや超軽量モバイルディスプレイを展示
VAIOはEDIX 東京 2025に出展していなかったが、富士通と同様にNEW EDUCATION EXPO 2025では出展していた。展示は教職員用に“全振り”で、同社の法人向けノートPC「VAIO Proシリーズ」と、14型として世界最軽量のモバイルディスプレイ「VAIO Vison+ 14P」をメインに展示していた。
VAIO Proでは、13.3/14型で軽量モデルを用意しており、VAIO Vison+ 14Pと組み合わせて「可搬性と利便性が高いレベルで両立している」とうたっていた。
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