床は砂!一泊1000円以下のワイルド宿からプール付き大豪邸まで…子ども4人と世界漫遊【シングルファザーが語る宿泊事情】

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2025年07月05日 07:00  まいどなニュース

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オマーンの首都・マスカットの様子 ※画像はイメージです(Taksira/stock.adobe.com)

宿泊施設選びは、海外旅行の計画で胸が躍る瞬間のひとつです。豪華なホテルや現地の暮らしが垣間見える民泊、自然の中のロッジなど、滞在先によって旅の印象は大きく変わります。しかし予約サイトの写真だけではわからない、驚くべき実態が待ち受けていることもあります。

【写真】バリで宿泊した王様気分なヴィラ

大人だけでも判断に迷う宿選びを、4人の子どもと乗り越えてきた人物がいます。日本では考えられないような各国の宿泊事情について、4人の子どもと一緒に約2か月半で13カ国を回ったシングルファザー・木村剛士さんにお話を聞きました。(以下、『』内は木村さん談)

まずは、予約サイトの情報だけではわからない残念な体験について聞きました。

『中東のオマーンやトルコで泊まったホテルでは、部屋に入った瞬間、排水溝の臭いが鼻をつくことがありました。子どもたちのためにバスタブ付きの部屋をわざわざ選んで予約したのに、実際に行ってみるとバスタブが割れていてお湯を溜められない、なんてこともありましたね。しかも事前に説明はありませんでした。

オマーンのとあるホテルでは、チェックインしようとフロントで名前を伝えても「予約されていない」と無愛想に言われました。予約画面を見せて、ようやく自分たちの予約だとわかった後も、悪びれる様子もなく「じゃあこっち来い」というような態度で…。日本のサービスの常識は通用しないのだと痛感しましたね。』

電気も水道もままならない大自然の宿から「王様気分」のヴィラまで

サービスの質とはまた違うベクトルで、強烈なインパクトを残した宿もあったそうです。

『南米ボリビアで、ウユニ塩湖からさらに奥地へ向かうツアーに参加した際に泊まった宿は忘れられません。もはやホテルというより、大自然の中にポツンと立つ「小屋」でした。驚いたことに、その小屋の床はコンクリートではなく「砂」だったんです。

電気は小さなソーラーパネルで賄われているため、夜になると部屋の豆電球がひとつ灯るだけ。共同のシャワーはもちろん水しか出ませんでした。周りにはアルパカがいて、夜は満天の星空が広がる。まるで登山の山小屋に泊まるような、ワイルドすぎる体験でした。』

今回の旅で最も豪華だったのは、意外にも物価が安いアジアの国だったそうです。

『インドネシアのバリ島で泊まったヴィラは最高でしたね。門を抜けると警備員がいて、広大な敷地に3階建ての建物が建っていました。てっきり他の宿泊客もいる大きなホテルだと思ってスタッフに「僕たちの部屋はどこですか?」と聞いたら、「全部です」と言われたんです。その巨大な建物を、僕たち家族だけで一棟丸ごと貸し切りだったんですよ。

大きなプライベートプールはもちろん、キッチン、リビング、複数の寝室もあって、各部屋が日本の学校の教室より広いんです。これで一泊約35,000円。家族5人で泊まったので、一人あたり7,000円ほどです。信じられないコストパフォーマンスでした。』

一方で、ヨーロッパでは物価の高さに苦労したと話されます。

『ヨーロッパではホテルの宿泊費が驚くほど高く、とても手が出ません。一泊10万円を超えることもザラなので、必然的に民泊が中心になりました。それでも、スイスのチューリッヒで借りたごく普通のアパートは、3泊で11万円もしました。一泊あたり約37,000円です。

バリのプール付き大豪邸とほぼ同じ値段で、ヨーロッパでは一般的なアパートに泊まることになる。この価格差には愕然としましたね。旅の計画を立てる上で、国や地域の物価を事前に知っておくことがいかに重要か、身をもって学びました。』

豪華な旅を安価に楽しみたいなら東南アジア、文化や歴史に触れるためならコストを覚悟でヨーロッパへ。木村さんの体験は、旅の目的と予算に合わせた国選びの大切さを教えてくれます。

◆木村剛士(キムラタケシ)

長野で4人の子どもたちと暮らすシングルファザー。50歳になり仕事をやめ、家を売り、子どもたちと世界一周の旅へ出る。

(まいどなニュース特約・長澤 芳子)

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