【フィギュア】羽生結弦さんイナバウアーに歓声「また五輪の金を夢見て」仙台市アリーナ開館記念

0

2025年07月05日 13:45  日刊スポーツ

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

日刊スポーツ

「The First Skate」でイナバウアーを見せる羽生(撮影・増田悦実)

フィギュアスケートのアイスショー「The First Skate」が5日、仙台市太白区のゼビオアリーナ仙台に新設された通年型アイスリンク(仙台市アリーナ)で行われた。冬季オリンピック(五輪)男子2連覇王者のプロスケーター羽生結弦さん(30)をはじめ、仙台市に縁のあるオリンピアンの本田武史さん(44)鈴木明子さん(40)や、本郷理華さん(28)が出演。国際規格(60メートル×30メートル)で整備された“新聖地”で、開館記念の舞いを披露した。


アイスリンク仙台も含めたスケーター総勢28人が真新しい氷に乗った中、オープニングの最後に羽生さんが登場すると、場内は大歓声。仙台市民と一般で計3万件超の応募があり、高倍率抽選の末、プラチナ化したファーストチケットを手にした3378人のファンの前に、青を基調とした衣装で登場。名作オペラ「トゥーランドット」のアリア「Nessun Dorma(誰も寝てはならぬ)」をBGMに、いきなりイナバウアーを披露して待望の新リンクを沸かせた。


大トリも任された羽生さんは「五輪2連覇、世界選手権優勝2回、グランプリ(GP)ファイナル4連覇など実績は枚挙にいとまがなく、男子シングル史上初めてのスーパースラムも達成しました」と紹介されて再登場。「開館おめでとうございます。新しいアリーナで、どんどんどんどん仙台市のスケーターたちが練習できて、うまくなることを願いながら、今回のショーに参加させてもらっています。また仙台市から、五輪の金メダルを夢見て頑張ってほしいと思います」と映像でコメント。続いて姿を見せ「春よ、来い」を舞って記念すべきオープニングイベントを彩った。3回転ループや代名詞のハイドロブレーディングも惜しみなく披露した。


拍手に促されてのアンコールでは「Let Me Entertain You」。バスケットボールB1仙台89ERSの試合はもちろん、音楽ライブも可能な新アリーナをロック空間と化し、盛り上げた。その後「初めてスケートの歴史が刻み込まれました」のアナウンスに続き、フィナーレへ。全スケーターが勢ぞろいした中、羽生さんが何度も何度も周回し、手を振り、笑みを振りまき、門出を祝った。


出演後、報道陣の取材には「やっぱり地元のスケーターたちと、仙台の地で、やっぱりみんなで何かを作り上げることの楽しさと、それを仙台の方々、また仙台に集まってくださった方々に対して発信できて、すごく実感として良かったなと思います。世界のトップを狙うため(カナダへ渡った)僕も含めて、より恵まれた環境へ行かざるを得なかった中で(新リンクが誕生し)やっぱり、好きな場所で、好きな仲間と、好きな先生と、一緒にずっとできたらいいなって思いました」と喜びをかみしめた。


初演に「春よ、来い」を選んだ理由については「始まりがテーマ。始まりの季節、ということで選びました。何かが始まる、何かの1歩になれば。後輩たちに背中で示そう、ではなく、全力で滑り続けることで自分は日本、世界に発信していきたい。(氷の感触は)バスケやライブも開催する中で、常設の氷は大変だったと思います。非常に暑い中、室温、湿度を管理しながら、やっとできた氷。すごく感謝。もっともっと試合でも活躍してくれるような氷になってくれると思いますし、すごく(ファンの)表情が見える、演技の質感を感じられる会場。ぜひ来ていただきたいなと思います」と呼びかけた。


ショーは「ようこそ、未来を紡ぐ新しい舞台へ」のアナウンスで始まり、この仙台市にある日本フィギュアスケート発祥の地「五色沼」や、荒川静香さん(43=06年トリノ五輪)と羽生さん(14年ソチ五輪、18年平昌五輪)という2人の金メダリストを輩出した聖地であることが紹介された。


午前中は開館記念式典が行われ、仙台市の郡和子市長らがテープカット。記念イベントには出演できなかったものの、荒川さんや26年ミラノ・コルティナ五輪を目指す佐藤駿(21=エームサービス/明治大)に、千葉百音(20=木下グループ)からの祝福メッセージも届けられた。【木下淳】

    ランキングスポーツ

    前日のランキングへ

    ニュース設定