働きたいシニアが増えているが、雇用する側の考えはどうか。マイナビが調査したところ、直近半年間で非正規雇用のシニア層(65歳以上)を新たに採用した企業は、44.8%に上った。今後の採用意向でも、「採用したい」が57.1%で半数を超えた。
雇用形態別では「アルバイト」が37.4%、「契約社員」が29.0%、「派遣社員」が28.1%だった。
アルバイト雇用での新規採用率が高い業種は、「警備・交通誘導(セキュリティなど)」(56.1%)が最多となり、以降は「清掃(ビル管理・メンテナンス)」(50.0%)、「配送・引越し・ドライバー(陸運)」(45.4%)が続いた。
平均採用人数は全体で11.1人。業種別では「配送・引越し・ドライバー(陸運)」が最も多く、平均24.8人だった。2024年4月の働き方改革関連法の改正により、ドライバーの時間外労働に上限が設けられたことで、運送業界では人手不足が一層深刻化している。その対応策として、シニア人材の採用を一段と進める動きが広がっている。
|
|
半年以上、雇用しているシニアバイトの最高年齢を聞くと「66〜70歳」(36.7%)が最も多く、「71歳以上」の割合は34.3%だった。業種別では「清掃」(73.2歳)、「警備・交通誘導」(72.7歳)が上位を占めた。
シニアのアルバイトが無理なく働けるように、「体の負担を考えて勤務日数や時間を調整している」「本人の希望を聞いて仕事を分担している」といった工夫が現場から寄せられている。経験やスキルを生かしながら、長く働き続けられる環境づくりが進められていることがうかがえる。
●シニアが果たしている役割
非正規雇用のシニア人材について、今後「採用したい」と答えた企業は57.1%と半数を超えた。理由として最も多かったのは「人手不足の解消につながる」(48.9%)で、「専門性が高い・経験が豊富」(34.4%)、「採用基準に年齢は関係ない」(24.5%)といった声も続いた。
勤務先でシニアが果たしている役割や発揮している能力については、「職場に特有の専門知識・専門スキル」(35.1%)が最も多く、「シニアの応募者の安心材料」(33.7%)、「職場の雰囲気を和ませること」(30.6%)といった点も挙げられた。
|
|
勤務先でシニアが担う役割や発揮している能力については、「職場に特有の専門知識・専門スキル」(35.1%)がトップで、次いで「シニアの応募者の安心材料」(33.7%)、「職場の雰囲気を和ませること」(30.6%)だった。
本調査は2024年12月〜2025年5月に非正規雇用の採用業務に携わった20〜69歳の1501人を対象に実施した。調査期間は5月16〜30日。
|
|
|
|
Copyright(C) 2025 ITmedia Inc. All rights reserved. 記事・写真の無断転載を禁じます。
掲載情報の著作権は提供元企業に帰属します。