夜職は顔さえよければ…は昔の話　美人かつシゴデキ人間であふれる現在の歓楽街　知性も問われる夜のお店の求人事情【元セクシー女優が解説】

街を歩いていると、キャバクラやホストクラブ、大人のお店など「夜のお店」の求人看板を付けて大音量の音楽とともに走り抜ける宣伝カーを見かけることがあります。あの看板にある通り、夜のお店では常に新しいキャストを探しているのは本当の話です。しかし誰でもすぐに働けるわけではなく、むしろ最近では夜のお店のキャストへの入門は茨の道となっています。

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そんな茨の道の最初の試練が面接です。夜のお店ではルックスの良し悪しが売り上げに大きく影響を及ぼしていることは周知の事実でしょう。そのため、昔から面接でのルックス審査はとてもシビアです。しかし顔さえよければ合格できるような時代は、古き良き時代の話。

有名店や高級店の面接では、未経験の初心者には勝ち上がれるであろうガッツとルックスを、経験者ならルックス＋実績がなければ簡単にパスできません。例え見た目のレベルが採用基準を超えても「カラーが合わない」なんて理由であっさりと落とされる例も珍しくはないのですよ。最近では語学が堪能だったり、有名大学に在籍or卒業だと合格確率がアップしているようです。

次の試練が体験入店（通称：体入）です。ここでは志願者自身がお試しで働いてみるという意味だけでなく、店側が志願者の実際のトークスキルや立ち振る舞いを見定める場でもあります。

というのも、歓楽街は美人かつ“シゴデキ人間”で溢れ返っているため、お客さんからすると現在の夜の店は「選び放題」の状態です。そのためお店としては、今後に期待できるタイプか現在進行形の売れっ子を採用しないと、店の質が落ちてしまうリスクがあるためとても慎重なのです。

傷跡や精神疾患に対する理解はあれど……

また夜のお店には「店内は暗いし訳ありな人が多い世界だから、体や心の傷があっても受け入れられる」という風潮がありますが、そんなに甘い世界ではありません。

例えば体にある傷跡やタトゥーは隠せる範囲なら問題ないと考えられがちですが、店によっては「体にある」というだけで面接もしくは体入時に落とされてしまうこともあります。実際にキャバクラやホストクラブなどの飲み屋であれば服で隠せるため大きく問題視される事はありません。しかし大人のお店などの服を脱ぐ仕事は隠しようがないので、かなり厳しい現状です。

その他、うつ病や睡眠障害など、いわゆる精神的な疾患に関しては、一般的な企業よりもむしろ寛容で理解してくれているのは事実です。というのも、実際にこれらの疾患を持っている人が多く働いているため、シフトの自由度が高かったり、トラブル対応の経験が豊富だったりするお店が多いのが理由でしょう。

それでも面接では、気分で突然欠勤するなどのトラブルを起こした履歴の有無は、かなり注意して見られてしまいます。

これは夜のお店だけでなくセクシー女優業界でもいえることで、今は薬の服用や通院の履歴があると難しい顔をします。だから最近はメンタルが不調でもありのままの事実を伝えず、ひた隠しにするケースが多いそう。女優を取り扱うプロダクションも、メンタル不調を抱える女優にはかなり優しくケアをしてくれますが「そのことに関しては、面接時に言わないでね」と注意をするのが当たり前です。

働く人々のレベルが上がるのは、お客さんにとって嬉しいことでしょう。しかし歓楽街に飛び込む人の7割くらいがさまざまな事情を抱えています。レベルが上がる＝働き手にとって窮屈な状態が出来上がったのは少々悩ましいと、個人的には思いますね。

◆たかなし亜妖（たかなし・あや）元セクシー女優のシナリオライター・フリーライター。2016年に女優デビュー後、2018年半ばに引退。ゲーム会社のシナリオ担当をしながらライターとしての修業を積み、のちに独立。現在は企画系ライターとしてあらゆるメディアで活躍中。

◆たかなし亜妖（たかなし・あや）元セクシー女優のシナリオライター・フリーライター。2016年に女優デビュー後、2018年半ばに引退。ゲーム会社のシナリオ担当をしながらライターとしての修業を積み、のちに独立。現在は企画系ライターとしてあらゆるメディアで活躍中。

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