サムスン電子は、7月9日(現地時間)に米ニューヨーク州ブルックリンで製品発表イベントの「Galaxy Unpacked」を開催。フォルダブルスマホのGalaxy Zシリーズを計3機種発表した。ここでは、縦折りのフリップ型となる「Galaxy Z Flip7」と「Galaxy Z Flip7FE」を写真とともに見ていきたい。
●カバーディスプレイを4.1型に大型化 表示内容は従来と変わらず
26%もの大胆な薄型化を果たした横折り型の「Galaxy Z Fold7」と同様、Galaxy Z Flip7もヒンジを刷新し、厚みをそぎ落としている。ただし、Galaxy Z Fold7と比較すると、薄さの印象はやや薄まる。先代モデル「Galaxy Z Flip6」との比較では、閉じたときの厚さが14.9mmから13.7mmに、開いたときの厚みが6.9mmから6.5mmへとダウンサイジングされた。
より大きく進化しているのは、閉じたときのカバーディスプレイだ。こちらのサイズは3.4型から4.1型へと大型化しており、表示部分がカメラを回り込むように拡大している。カバーディスプレイのベゼルは1.25mmと細くなった。これにより、本体を閉じたときの見た目が大きく変わっている。
|
|
閉じたままでも、Galaxy AIやGeminiとのやりとりを、よりスムーズにできるというのがその特徴。カバーディスプレイには、一部アプリなどの進行状況を示す「Now Bar」を表示できる他、Geminiを呼び出し、音声で必要な情報を聞くこともできる。時間や場所に応じて必要な情報をまとめるGalaxy AIの「Now Briefing」も、カバーディスプレイに対応する。屋外でも使いやすいよう、最大輝度は2600ニトまで向上している。
大画面化したカバーディスプレイだが、表示できるのはウィジェットと一部アプリという点は変わっていない。ただし、従来モデルから「Good Lock」というカスタマイズアプリを使うことで、その他のアプリも配置できた。Galaxy Z Flip7では、設定画面にこのツールへのリンクが張られており、Galaxy Storeに飛べる仕様になっていた。
フリップ型のGalaxy Z Flipシリーズは、本体を閉じた状態で画質の高いメインカメラを使ってセルフィーを撮れることを売りにしていたが、Galaxy Z Flip7でも、その特徴は継承している。同モデルでは、セルフィー時に、どのレンズを見ればいいかが分かりやすいよう、カメラを切り替えた際に、そのレンズの周辺の色が変わる仕掛けも取り入れられている。
●プロセッサにサムスン電子製の「Exynos 2500」を採用
ソフトウェア面ではGalaxy Z Fold7との共通項も多く、Galaxy AIに対応する。音声通話のテキスト化や翻訳、ブラウザの翻訳、要約、文章の生成など、さまざまな機能を利用できる。OSには、Android 16をいち早く採用。サムスン電子のカスタマイズであるOne UIのバージョンも「8」に進化している。
|
|
Unpackedと同時に、日本ではサムスン電子がオープンマーケット版(SIMフリー版)の販売を発表しており、Samsungオンラインショップでの価格も明らかになった。ストレージ容量は256GBと512GBの2つで、前者が16万4800円、後者が18万2900円だ。カラーリングはGalaxy Z Fold7と一部共通化されており、ブルー シャドウ、ジェットブラック、コーラルレッドに加え、Samsungオンラインショップ限定でミントも発売する。
これまでのGalaxy Z Flipシリーズは、Galaxy Z Foldシリーズと同じSnapdragon 8シリーズを搭載していたが、Galaxy Z Flip7のプロセッサは、サムスン電子製の「Exynos 2500」となる。3nmの製造プロセスで、AIの処理を行うNPUを強化しているのが特徴。バッテリー容量も4300mAhに増量された。
サイズは、開いたときが75.2×166.7×6.5mm、閉じたときは75.2×85.5×13.7mm。重量はGalaxy Z Flip6より1g重い188gになる。メモリは12GB。メインカメラは50メガピクセル、超広角カメラは12メガピクセル、インカメラは10メガピクセルで、センサーのスペックは据え置きだが、画像エンジンの「ProVisual Engine」の改善により、画質は向上しているという。また、動画撮影は10ビットのHDRに対応する。
●廉価モデルの「Galaxy Z Flip7 FE」を追加 日本発売は未定
カバーディスプレイの拡大によって進化したGalaxy Z Flip7だが、この世代から、サムスン電子は価格のバリエーションも広げていく方針。新たなラインアップとして加わるのが、フリップ型フォルダブルスマホの廉価版になるGalaxy Z Flip7 FEだ。
|
|
カバーディスプレイの形状は前モデルのGalaxy Z Flip6に近く、カラーバリエーションもホワイトとブラックの2色のみ。色数を絞り込むことで、コストを削減していることがうかがえる。ストレージの容量は、Galaxy Z Flip7より一段低い、128GB版と256GB版が用意されている。
なお、現時点では、日本での発売はアナウンスされておらず、今後の予定も明かされていない。米国での価格は、128GB版が899.99ドル(約13万1900円)。同時に発表されたGalaxy Z Flip7の256GB版が1099.99ドル(約16万1200円)だったため、日本円に換算すると3万円近く安くなっている。
廉価版という位置付けではあるが、ミッドレンジモデルほどの安さではない。型落ちになるGalaxy Z Flip6とどう売り分けていくのかは未知数だが、より安価に購入できるGalaxy Z Flipという選択肢が増えたことで、ユーザーの裾野が広がる可能性もありそうだ。
|
|
|
|
Copyright(C) 2025 ITmedia Inc. All rights reserved. 記事・写真の無断転載を禁じます。
掲載情報の著作権は提供元企業に帰属します。
1文字違いの偽アカウントが横行(写真:TBS NEWS DIG)64
1文字違いの偽アカウントが横行(写真:TBS NEWS DIG)64