平沢俊乃さんが刺された現場=2024年5月、東京都新宿区 東京都新宿区のタワーマンション敷地内で昨年5月、住人の平沢俊乃さん=当時(25)=を刺殺したとして、殺人罪などに問われた和久井学被告(52)の裁判員裁判の論告求刑公判が10日、東京地裁(伊藤ゆう子裁判長)であり、検察側は懲役17年を求刑し、結審した。判決は14日。
検察側は論告で、和久井被告が事件の数カ月前から凶器の果物ナイフを車に常備しており、「危害を加える目的があったことは明らか」と主張。平沢さんの傷は20カ所以上に上り、「強い殺意に基づく危険かつ残虐な犯行だ」と非難した。
和久井被告が平沢さんに渡した金の返還を求めていたという主張については「接触の口実にすぎず、トラブルを解決したいのであれば正当な手段を取る時間はあった」と指摘した。
一方、弁護側は懲役11年が相当だと訴えた。
起訴状によると、和久井被告は昨年5月8日、果物ナイフ2本で平沢さんの胸や腹を複数回刺すなどし、外傷性ショックで死亡させたとされる。