酷暑なのに足が冷えて仕方ない……。これまで冬場では足冷えのせいで睡眠までに時間がかかることが多々あったのだが、40代中盤になり、かつては感じなかった夏場の冷えを自覚するようになってしまった。そこで試したのが医師の石原新菜による『カラダを温めて冷えをとる温活365日』(内外出版社)という話題の書籍である。
本書はタイトル通り、1年を通じて実践できる温活法を365日分紹介しており、毎日の身体の冷え対策が体系的にまとめられている。夏のポイントとして、昔は暑くて生じる食欲不振や不眠が多かったようだが、現在では冷房による冷えバテが主流となっているそうだ。薄着で過ごしたり冷たい飲み物を飲むことで内臓機能が落ちて自律神経が乱れてしまう。だからこそ夏には温活が必要なのだそうだ。筆者も猛暑の影響で、つい冷たい飲み物やエアコンに頼りがちで運動不足も重なり、知らず知らずのうちに身体の芯を冷やしてしまっていたことが原因だと、本書を読んで気づいた。
7月の項目には、43度ほどの熱めのシャワーを上半身に浴びる。半身浴の方法やミントや炭酸の入浴剤でお風呂に浸かるといったバスタイムのものから、顔マッサージ、扇風機の効果的な活用法や睡眠まで、どれもすぐにできるテクニックばかりで、日常生活に無理なく取り入れられる具体的なアドバイスが並ぶ。
筆者も早速椅子の座面にカイロを貼るという気になるテクニックをやってみた。夏にカイロと思うかもしれないが、これがなかなかいい。お尻から温かさが伝わり身体の芯から温まり心地よい状態になるし、冷えが気になることも少なくなり集中力が高まる。
また、シャワーのみの習慣を改め、炭酸風呂に浸かるようにしたところ、足の冷えが改善されて、寝起きの良さが全然違う。朝起きてからの倦怠感や肩こりも軽減されている気がする。
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このように、本書の良さは、難しい理論や手間のかかる方法ではなく、日々のちょっとした習慣の改善によって、冷えを予防・改善できる点にある。365日それぞれに実践しやすい簡単な方法がイラストともに紹介されているため、毎日パラパラとページをめくる楽しみもある。
男性で冷えに悩んでいる人は少ないと思われがちだが、実際には冷えからくる不調を抱えている人も多いのではないだろうか。特に中年以降、身体の冷えは健康や生活の質に大きく影響を及ぼすことを私自身が実感した。猛暑が続く夏だからこそ、身体を内側から温め、夏の冷えを乗り越えることの重要性を教えてくれた一冊。今後も一年を通じて活用していきたい保存版の書籍である。
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