不規則な睡眠習慣による経済損失は、日本全体で年間約1兆円にのぼる――ポケモン(東京都港区)は7月11日、筑波大学国際統合睡眠医科学研究機構(IIIS)と共同で実施した調査の結果を発表した。睡眠ゲームアプリ「ポケモンスリープ」の国内ユーザー約8万人のデータを分析した。
【画像】“睡眠リズムの乱れ”の影響は? 結果をグラフで見る(計3枚)
調査では、入眠・起床時刻や中途覚醒の傾向に基づき、ユーザーを「健康的な睡眠」「長時間睡眠」「中途覚醒が多い」「寝付きが悪く中途覚醒も多い」および、平日と休日で睡眠リズムに差がある「ソーシャルジェットラグ」の5群に分類した。
このうち、ソーシャルジェットラグ群では、仕事中の集中力や効率の指標となるスコアが最も低く、年間13万6000円に相当する生産性の損失が生じていた。対象者の中でこの群に該当した人は16%おり、同様の割合が日本全体にも当てはまると仮定した場合、損失額は年間約1兆円に上るという。
また、ソーシャルジェットラグ群は、日中の眠気や不眠の評価についても最も悪い結果となった。
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筑波大学の柳沢正史教授(「ポケモンスリープ」監修者)は「睡眠の“量”や“質”だけでなく、“リズム”が極めて重要であることが改めて示された」と指摘。「休日に寝だめする場合も、前日は早めに寝て、入眠と起床の時間帯を大きくずらさないことが望ましい」とコメントしている。
調査は、アプリで7日以上の睡眠記録がある国内ユーザー7万9048人を対象に実施。記録された210万回以上の睡眠データに加え、日中の眠気や不眠の訴え、仕事のパフォーマンスに関するアンケートを用いて分析した。損失額の試算には、令和5年の公的統計から平均年収(461万円)や給与所得者数(4494万人)などを用いている。
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