
世の中にはさまざまな悩みを抱えた人が存在しています。人それぞれの悩みを漫画家のぬこー様ちゃんが赤ちゃんになってアドバイスしていく作品『赤ちゃんだけど言いたいことある』がSNSで話題です。
舞台はどこかの会社の休憩室。赤ちゃんとなったぬこー様ちゃんは、パートのおばちゃんから可愛がられていました。そんなおばちゃんは、親切なお金持ちが遺産を分けてくれるというメールが来たことで大喜びしています。
おばちゃんの話を一通り聞いたぬこー様ちゃんは、メールの内容に遺産振込のための手数料を先に振り込んでほしいという文面があることから、「非常にわかりやすい振り込め詐欺やん」と一刀両断します。しかしおばちゃんは、なぜかそのメールを信じ込んでいるようで「詐欺なんて絶対ありえないわ!あの人に限って!」と怒ってしまうのでした。
そこでぬこー様ちゃんは、「会ったこともないそいつの話と僕の話どっちを信じますか?」とおばちゃんを諭します。この言葉におばちゃんは少し戸惑いながら「メール」と返答。
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ぬこー様ちゃんは、あまりの衝撃に大きく跳躍した後、まるで吉本新喜劇などのズッコケシーンのようにびたーんと地面に叩きつけられるのでした。
舞台は変わって、漫画家志望の男がぬこー様ちゃんを抱っこしたまま相談を始めます。その男は「漫画家になるために仕事を辞めようと思うんです」とぬこー様ちゃんに語りかけます。
その理由は、「仕事が忙しくて漫画が描けないから」とのことです。この相談はぬこー様ちゃん曰く、自身が受ける相談のなかでも特に多い質問だそう。この相談に対する答えは、長く漫画家を続けてきたぬこー様ちゃんだからこその言葉でした。
ぬこー様ちゃんは、まずきっぱりと「やめとけ……」と断言します。その理由として、「成功するやつはみんな仕事をしてる時も描いてたやつだけだ」と言い、さらに相談者への追い打ちのように、仕事を辞めたところで今度は将来への不安で描けなくなるのが目に見えていると諭すのでした。
この「仕事さえ辞めれば」という考えへの回答は、漫画家以外にも多くのケースに当てはまるのではないでしょうか。
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その他に同作では、恋人と長続きしない女性の悩みや、コンビニエンスストアで店員に怒り散らす人への諭しなど、多くの相談に答えるぬこー様ちゃんの様子が描かれています。これらの作品について、作者のぬこー様ちゃんに話を聞きました。
僕は漫画家として安定してきてから脱サラ
ー詐欺にあいそうなのに助言を聞き入れないおばちゃんは衝撃的でした。その後どうなったのでしょうか。
結局何人かに相談してみんなに止められたように記憶してます!!
ー「成功する奴はみんな仕事してる時も描いてたやつだけだ」の言葉が印象的でした。これはぬこー様ちゃんさんの実体験による言葉ですか?
脱サラして漫画家を目指した志望者は身の回りに何人かいましたが、唯一漫画家になれたのはひとりだけでその子はサラリーマン辞める前からたくさん描いてました。僕に至っては漫画家として安定してきてから脱サラしました。
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リスクをとる行為はメンタルに悪いのでほとんどの人類に向いてないと思います。
ー「赤ちゃんになれ」というのは「初心を思い出せ」ということかなと思いました。ぬこー様ちゃんが今も心がけていることなどあれば教えてください。
究極的にいえば、幸せな状態をできるだけ長く続けることが人生において大事だと思ってます。このことでいえば、漫画家を目指すことで不幸になるのであれば正直目指すべきじゃないと思います。
ー最後に読者にメッセージをお願いします。
いつも漫画を読んでくれてありがとうございます。僕の漫画はKindleインディーズで無料で公開されます!無料なのに読まれた分だけ作者にお金が入る仕組みなので、この記事を読んで興味を持った方はぜひ読んで僕と僕の猫たちを幸せにしてやってください。お願いします。
(海川 まこと/漫画収集家)