小倉記念に出走予定のマイネルメモリー(c)netkeiba 本記事ではnetkeibaオリジナルAIが推奨する本命候補3頭を特筆すべき過去の傾向とともにご紹介します。
今週の重賞競走は日曜日に小倉記念(GIII)と函館2歳S(GIII)が行われます。その中から小倉競馬場で行われる小倉記念を取り上げます。まずは14年以降に小倉芝2000mで行われた小倉記念(計10レース)の傾向から。
データ対象の10レースでの前走クラス別成績を見ていきます。データ対象の10レースでは前走で重賞に出走していた馬が[7-8-8-65]となっています。複勝率26.1%で単勝回収率75%、複勝回収率84%とまずまずの成績です。データ対象の10レースはすべてGIIIに格付けされていますので、前走で同格以上のレースに出走していた経験が活きるのかもしれません。
その一方、高期待値を示しているのが前走3勝クラスに出走していた馬です。データ対象の10レースで前走が3勝クラスだった馬は[3-1-2-17]。複勝率は26.1%で前走重賞組と同じですが、単勝回収率は194%で複勝回収率も96%と前走重賞組よりも高い数字を残しています。
データ対象の10レースはすべてハンデ戦での開催。前走で3勝クラスだった馬は、条件戦からオープンクラスに上がることを考慮されて斤量面で恩恵を受けられるのでしょう。実際、データ対象の10レースで前走3勝クラスだった馬の斤量を見ると、最も重い斤量でも56キロでしたし、ほとんどの馬が55キロ以下で出走していました。これはいかにもハンデ戦らしい傾向と言えますし、前走で条件戦に出走していたからといって、安易に軽視するのは危険かもしれません。
続いては、データ対象の10レースでの前走距離別成績です。データ対象の10レースでは前走で2000mに出走していた馬が[8-5-7-57]で単勝回収率125%と優秀な成績を残しています。複勝回収率も88%とまずまずの数字。データ対象の10レースはすべて2000mで開催されていますので、前走で同じ距離でのレース経験の有無が好走のカギと言えるかもしれません。
前走が2000m以外だった馬を見ると、前走で1800mに出走していた馬が[1-4-2-24]。前走が2200m以上(障害含む)だった馬は[1-1-1-14]で、前走が1700m以下だった馬は[0-0-0-9]とすべて着外に終わっています。
これを見ると、前走が2000mではなかった馬でも、ある程度のスタミナが要求される距離だった場合は好走の可能性が残ると言えそうです。一方で前走が1700m以下だった馬については、前走でスピード競馬を経験していることがマイナスに働くため、データ対象の10レースでは好走馬が出ていないと考えられますので注意が必要と言えそうです。
それでは早速ですが、今週の小倉記念でAIから導き出された月曜日時点での本命候補3頭をご紹介します。
◆前走人気薄でも侮れない本命候補たち
マイネルメモリー
前走の函館記念(GIII)では14番人気と低評価でしたが、直線では後方から上がり最速の脚を使って3着に好走。ゴール前での脚色は際立っていましたし、重賞でも十分に通用するところは示した一戦と言えます。人気がなかったのはオープン昇級後の成績が一息だったことにありそうですが、あまり実績のない条件だったことが苦戦していた要因と考えられます。
本馬はこれまでに4勝していますが、そのうちの3勝を比較的直線の距離が短い小倉や京都内回りで挙げています。オープン昇級後は東京や新潟外回り、阪神外回り、中京と直線の長いコースに出走。前走の函館記念がオープンに上がってから初めて小回りと言えるコースに出走し好走。このことから、本馬は直線の長いコースよりも直線が短い小回りコースに高い適性があると言えそうです。今回も直線の短い小倉ですし、前走の結果をフロックと判断するのは早計かもしれません。
シュタールヴィント
前走の垂水S(3勝クラス)では6着。レースでは好スタートから道中は3番手あたりを追走。しかし、レースが動いた勝負所では前にスペースがなかったため、動き出しが遅れてしまうロスが生じていました。直線では伸びずバテずという走りで結果を残せていませんが、早めに動き出して長く脚を使える形になっていれば違う結果になっていたかもしれません。
過去の傾向でも触れたように、前走3勝クラスは高期待値が見込めるローテーション。本馬はその3勝クラスで目立った結果を残していませんので、斤量面で相当な恩恵が見込めそうです。軽い斤量で出走できれば先行力がより活きてくるでしょうし、前が残るような流れになれば周囲を驚かす好走も期待できそうです。
ディープモンスター
前走の目黒記念(GII)は4着。内枠や直線で内を通った馬が上位に来る流れを、後方から追走し馬場の真ん中あたりから追い込んだ点は評価できます。また、前走はレース直前に雨が降り、良馬場発表でしたが水分の含んだ馬場で行われていました。レース後のコメントでは「道悪は得意とは言えない」とのことでしたし、条件が合わない中でも大崩れしなかったのは能力の高さの証と言えそうです。
これまで重賞勝ちの実績はありませんが24年チャレンジC(GIII)で2着、同小倉記念3着など重賞で上位争いに絡んだ実績はありますし、前走の結果からも重賞級の能力は備えています。今回は小倉芝2000mになりますが、この条件では23年の関門橋S(OP)を1馬身半差で快勝。このレースは後の重賞で好走しているダンディズムやビッグリボンなどを相手にしていましたし、そこで強い競馬を見せていますので適性面に不安も感じられません。ここも自身の力を出し切れれば大崩れすることはなさそうですし、重賞初制覇のチャンスも十分にありそうです。